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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

409アンバランス 1/5:2006/05/19(金) 23:24:16
 真夜中の闇の空間に、一筋の亀裂が走っていた。
 ――目の前に現れた男について竹山は考える。
 仲間、だったはずだ。
 同じようなポジションにいて。
 同じ先輩を慕っていて。
 番組で共演した時は、二人で協力して場を盛り上げた事さえある。
 しかし今、緑色のゲートの向こうから現れた彼は。
 左手に宿る黒い光を、まるで見せつけているようで。
「……土田、さん」
 その名を呟いた声は、微かに震えている。
 対する土田は、まるでテレビ局の廊下で擦れ違ったかのような気安さで、片手を挙げて「よう」と言った。
 しかし彼の出現は偶然ではあり得ない。何故なら彼は、石の力を使ったのだから。
 竹山は挨拶を返さず、ただ、短く問う。
「どういう事……ですか」
「どういう、って?」
 土田は口角を僅かに持ち上げ、笑みを作って答える。
「理由を訊かれても困るよ。……黒だから、じゃ駄目なの?」
 竹山は息を呑む。脳裏に蘇るのは、黒の欠片に憎しみを増幅させられ、自分に襲い掛かってきた相方の姿。
 “黒”は土田まで巻き込んだのか――その思いは怒りとなり、胸元の石が熱を帯び始める。
 止めなくては、と思う。それは、彼と近しい自分の役目なのだと。


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