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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
403
:
最弱同盟 3/6
:2006/04/30(日) 21:56:50
都会の喧騒が少しずつ遠ざかっていく。前を歩く山本の足取りに迷いは見えないが、あまりに人通りのない場所へ進んでいることに、田中と鈴木は不安を覚えていた。
「本当にこの道で合ってる?」
堪り兼ねたように鈴木が訊ねたが、山本は自信満々に「合ってますよ」と答えるだけだった。
「でも、いくらなんでも人がいなさ過ぎじゃないですか?」
先程の失敗からどうにか回復した田中も山本に問うが、
「静かな所だって言っただろ。ほら、隠れ家的な名店っていうの? そういう感じの所」
やはり取り合ってはもらえなかった。
実際のところ、二人が懸念しているのは店に辿り着けるかどうかということではない。この状況は、明らかに危険なのだ。石を狙われている人間にとっては。
薄暗く、静まり返った通りの向こうから、少しずつ近付いてくる気配を感じる。ただの通行人ではあり得ない、明らかにこちらに敵意を持った気配。
それはゆっくりと速度を上げ、3人が彼らを視認出来た時には、既に全員が全力で疾走していた。
「逃げろ!」
誰かの号令で一斉に走り出す。しかし黒い欠片の影響か、限界を無視した速度で走り続ける集団に、三人はあっという間に追いつかれてしまう。
どうやらこの場を乗り切るには、力を使うしかないらしい。
そう判断した鈴木は、足首に微かに触れている石へと意識を集中する。それは少しずつ熱量を増し、鈴木の精神力を己の力へと変換していく。
そして集団の先頭を駆ける若者の手が鈴木に触れた瞬間、彼とその周囲の空間は、重力から解放された。
先頭の若者は、地面を踏み締められずに前のめりになり、そのままふわりと浮き上がる。鈴木が彼を後方へと軽く押すと、若者は“領域”の外へと弾き出されて尻餅を着いた。
「鈴木さーん! びっくりしたじゃないですか、力使うなら先に言ってくださいよ」
山本の文句に、咄嗟のことだから仕方ないと思いつつも「ゴメン」と謝る。
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