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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

401最弱同盟 1/6:2006/04/30(日) 21:54:54
 仕事帰りの会社員で賑わい始めた居酒屋の、その一番奥の個室で、二人の男が酒を飲み交わしていた。一人はひょろりと背が高く、もう一人は黒縁の眼鏡を掛けている。
 共通するのは痩せて貧弱な体型であること、そして芸人であるということ。
 先に口を開いたのは黒縁眼鏡の方、ドランクドラゴンの鈴木だった。
「そっか、じゃあアンガールズの二人も持ってるんだ、あの石」
「はい」
 頷いたアンガールズの田中は、いつになく真剣な表情をしている。
 彼が自分の石に宿る奇妙な力に気付いたのは、つい先日のことだった。
 どうやら他の芸人たちも同じように力の宿った石を手にしているらしいこと、そしてその石を巡って争う者までいるらしいことは、たまたま耳に入ってきた情報から知ることが出来た。
 しかしそれ以上の話を聞き出そうとすることは、自らその争いに首を突っ込むことになりそうで、気が引けた。そこにタイミングよく、芸人の中でも親しい間柄である鈴木から、飲みに行こうとの誘いがあったのだ。
 もう一人、ロバートの山本もこの場にいるはずだったのだが、つい先程仕事で遅れるという内容のメールが来た。少し手持ち無沙汰になったところで、田中は思い切って鈴木に相談を持ち掛けた。
「どうすればいいんですかねー、これから。ていうか、鈴木さんはどっちなんですか?」
「どっちって……白か黒か、ってこと?」
「そうです」
 その質問に、鈴木は少し考える素振りを見せた。
「特にどっちって意識したことないんだけど……まあ、どっちかって言ったら白なんじゃねえの? 事務所の先輩に白の人が多いから、その人たちに言われて協力したりもしてるからさ」
 実際のところ、白につくか黒につくかという問題は、鈴木にしてみればどうでもいいことだった。今白側にいるのは、その方が面倒がないと考えたからであって、要は、戦いを避けられればそれでいいのだ。
「それにさー、黒なんて相当強い人じゃなきゃ無理そうじゃん。ほら、俺なんて、あいつにも反抗出来ないくらいだからさ」
「……ああ」
 “あいつ”という言葉が指しているであろう人物を頭に思い浮かべて、田中は納得する。それはつまり、もうすぐここを訪れるはずの人物のことなのだが。
 噂をすればなんとやらで、それから五分もしない内に彼は姿を現した。


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