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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

380名無しさん:2006/02/11(土) 22:45:11
内Pメンバーで何か書いてみようとして挫折しました。
その一部を投下。
なんからしら使ってもらえたら幸いです。



「ごめん、ふかわ。……俺は最後の最後に、自分に負けた」
何かを悟ったような笑み。柔らかい、いつもの口調。
「だから、俺はこのまま消えてしまうと思う。そう遠くないうちにこの黒い石は完成される。……それでこいつは、白い石を止めてくれるだろう」
当たり前の事実を口にしている、そういうような、悲しみも何も含まれてない言葉。
ふかわは拳を握り締めて、じっと聞いていた。まだ涙は溢れてきていない。
「俺一人でみんなが助かるんだ。……なんか映画みたいだな」
自分が消えることによって周囲に平穏が訪れる。ふかわが、大竹が、三村が、仲間たちが苦しい戦いから解放される。
それは内村にとって、一部でとても魅力的であった。そしてその自己犠牲のみを願っていれば、黒い石に侵食されることはなかっただろう。
しかし内村のもう一部分は、その平穏の中、仲間たちと笑いあう自分の姿を願ってしまう。
少し前みたいに、みんなで馬鹿みたいな事をして、くだらないことを喋って笑っている自分の姿を……
その当たり前の願いがほんの少し、黒い石につけ込む隙を与えていた。
「映画……」
このメンバーで、いつか撮りたかった。こんな酷い物語ではなく、もっと温かい、幸せになれるような映画を。
こじ開けるように心の隙間から黒い力が流れ込んでくる。自分というものが徐々に希薄になっていく感覚に、内村は流れるはずのない汗を感じた。
「……でも」
黙って内村の話を聞いていたふかわは口を開いた。
「内村さんが吸収される前に、白い石を僕たちが倒してしまえば、」
「それは、無理だ」
ふかわの言葉を遮り、内村ははっきりと言った。
「白い石を倒す方法がないんだ。黒い石を使う以外の方法は、調べてみたけどなにも見つからなかった」


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