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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

355名無しさん:2005/12/01(木) 22:42:55
「悩み事ですか?」
突然降ってきた、どこか抑揚の無い声に顔を上げると、そこには数少ない女ピン芸人だいたひかるが立っていた。
自分の世界に入っていたせいで一瞬呆けていた波田だが、ふと我に返って思い出した。
ここはテレビ局で、自分はこの後収録を控えている。廊下のソファに座って休憩していたんだ。
だいたはテレビで見る時と全く同じいつもの無表情で両手に缶コーヒーを持っていた。
軽く頭を下げて挨拶をし、少し席を詰めて、「座りますか」とそう尋ねると、だいたは苦笑して言った。
「…波田さんって無防備なんですね。私の事疑わないんですか?私、黒かもしれませんよ?」
「石を隠しもせずに堂々と指にはめている人に言われたくないですよ。…石を見ればなんとなくわかるんです。
 少し黒がかった石を持ってる人はヤバイんですけど、だいたさんの石は真っ青ですから。」
波田はそう言ってだいたの右手に輝くリングを指差した。
「そうですか。でも私白でも無いですよ。」
「そうなんですか。」
「ええ、興味ないんです。だってバカらしいじゃないですか。」
同じ芸人同士なのに。
だいたは波田の隣に腰を下ろし、けだるそうにため息をついて缶コーヒーを開けた。
「おかしいですよね。なんか最近、みんな殺気立っちゃってる。
 知ってます?誰かは私も聞かなかったけど、若手で死にかけた人がいるんですって。」
「本当ですか?」
そう聞き返すものの、内心、波田はそんなに驚いているわけではなかった。
人間の欲望や信仰心というものは凄まじいものだ。そしてこの石はその対象になるには十分なほどの魔力を秘めている。
そのため波田はいつかこうなる事を予想していたし、なって当然だとも思っていた。


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