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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

311 ◆BKxUaVfiSA:2005/08/20(土) 14:52:43
>>289の続きです

「帰ろうか、それじゃ」
残りのコーヒーを一気に飲み干して立ち上がった。
その時、男の客が二人で、黙々とケーキを食べているのが目に入った。
(はあー…珍しいなぁ…)
最近は若い男性にもすっかり甘党が増えて、ファミレスなんかで堂々と、チョコレートパフェなどを注文する。
だが、今大木が目に留めたのは、ファミレスよりも居酒屋が似合いそうな風貌の男達だった。
セットされていない髪に、寝不足なのかとろんとした目…。
色んな人間がいるな、と大木は首を振ってレジに向かった。

外にはもう茶髪の男の姿は無く、大木は一人で歩き出した。
信号が赤だ。足を止めて、ここの信号長いんだよなあ、などと考えながら目の前を通り過ぎていく車をぼーっと眺める。
すると、後ろからぽん、と無言で肩を叩かれた。振り向くと、さっき喫茶店の中でパフェを食べていた二人組が立っていた。
そして、いきなり大木の腕を片方ずつがっしりと押さえつける。
「ちょ、何すんですか!」
と、大木は言ったが、男達の行動がいかに素早かったかは、その言葉を言い終えた瞬間には、いつの間にか目の前に停められてあった車の後部座席に座らせられていた、という点からも分かる。
「誰なんだよ、あんたら…」
「おい、車出せ」
大木の言葉を無視して、一人が言った。

車が走り出すと、やっと掴まれていた手が離される。
大木は怖いよりも何よりも、ただ呆然としていた。


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