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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

308title『ブラックラック』 ◆EI0jXP4Qlc:2005/08/20(土) 00:13:12
Number,零 セカンダリーズヴォイド


 留まる事無く歩き続けろ。決して振り返るな。

 「貴方は何故、ここにいて、そして何処に行きたいのですか?」
 シナリオライターが、俺にそう尋ねる。
 「……小林君は、俺を恨んでいないの?」
 逆に、そう尋ね返すと、彼は黙りこんだ。
 「……別にいいよー。だって恨まれて何ぼだもんね、俺」
 俺はそう言ってにっこり笑う。
 
 何処まで、行こう?

 人間は、生まれながら魂の容が決まっている。
 それをどう変えていくかはその人次第だけど、俺は知っている。
 結局、生まれながらの容を歪めてまでがんばっても、辛い思いをしても、ダメな時はダメ。ただただ、憐れな末路に向って歩いていくだけ。
 あぁ、可哀想に。

 「でもね、俺、別に世界征服とか、そういうのじゃないんだよ?」
 俺はシナリオライターにそう言う。
 「分かってますよ」
 彼は機嫌を損ねたのか、若干言い方が冷たい。
 「だからこそ、貴方がここにいる理由が、分からないんですよ」
と、彼は付け足す。
 「小林君はさぁ、黒い欠片を持ってなくても、こっち側にいるでしょ。それってさ、理由はどうあれ、まさしく自分に正直になってるってことだよね。俺は、それがすごくいいことだと思うんだ。何もできずに不幸になるより、自分に正直になって不幸になったほうが、いいよね」
 「……それが、理由ですか」
 「いや、これは、俺の勝手な意見」
 俺は再び笑う。なるべく自然に。
 相手が相手だから、下手に飾らないほうが得策なんだ。だけど、シナリオライターは、少しだけ辛そうに黙り込んだ。
 「あ、でもね。俺は誰かを不幸にする気なんて更々ないんだ。むしろ、みんなの幸せを願っているよ」
 俺がそういうと、シナリオライターは意外だと言う顔をする。予想通りの反応。
 しかし、その直後、なんだか納得したような顔になる。意外と、表情豊かなんだ。
 でもこれも、予想通り。
 「……でも貴方は」
 と言って、シナリオライターが口を閉ざす。非常に、言い辛そうだ。普段なら「言わなくてもいいよ」と言ってやるところだが、
 「でも、何?」
 俺は、聞くことを選んだ。
 「貴方にとって、本当に大事な人には自分のようになって欲しくない、と、思っているでしょう」
 「……」
 俺が黙ると、彼まで黙ってしまった。
 気まずい重い沈黙とは、このことなんだと思う。仕方がないので、俺が口火を切る。
 「いつか、あの「地獄主義者」と出遭ったとき、俺、感じたんだ。あの人は「世界を全部ひっくり返そう」としている。あぁいうのって、ヤバイよな? ま、俺が言うと説得力ないんだけど……」
 俺は笑って見せるものの、
 「何時までも、隠しきれると思わないでください。いつか「その時」は、必ず来ます」
シナリオライターは暗い表情のまま、至って真摯に、俺に忠告した。だから、
 俺も、宣言する。
 「……「その時」にはきっと、全ての人間の魂が、黒い魂になるね。」
 このシナリオライターは、今の俺をどう捉えているのだろうか。
 「例え小林君が、……シナリオライターが黙ってても、物語は続く。一つの終わりに向って、進んでいく。始まったんだから、必ず、終わる。ごく当たり前のことでしょ……。俺は、みんなに辛い思いをさせたくない。だから、俺は皆を、こっち側に引き込む。誰だって、自分のことを解ってもらえる誰かが、必要なんだから」

 何処まで?

 「……もっとみんな、自分に正直に生きなきゃいけない」
 俺はそう言って、一旦話を切った。なかなか話し出そうとしない両者。仕方が無いから、再び俺が口火を切る。
 「あ、「それじゃあの「地獄主義者」と大して変わらないじゃないか」って思ったでしょ?」
 「地獄主義者って誰ですか」
 「知ってるくせに。ね? 思っただろ?」
 「……」
 俺は笑う。なるべく自然に。
 「ね、小林君?」
 「思ってませんよ」
 「違うよ。何で、敬語で喋るの?」
 「……」


 Is there any continuation?
 Well,the monster will be coming.


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