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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
301
:
そして僕らは完全となる。 DLEARTMI#
:2005/08/18(木) 02:45:13
救急車とパトカーと野次馬と。
ざわざわした雰囲気を感じながら、眠そうな感じで建物を歩く。
建物、といっても本社だ。
どこをどう歩いたら、事件現場に繋がるのかぐらいは知っている。
明らかに騒がしい下の階へ偶然を装い、降りていく。
踊り場を曲がった時見えた光景には、さすがの自分も眉を潜めた。
吉田が二人をおびき寄せるために、自分の血液を急激な気圧変化によって爆発させたであろう
この部屋には、もとは少量だったはずの血液が、満遍なく飛び散っていた。
そして驚くべきは…床に広がる、生々しい血液。
どんなに冷たくて気持ちよくても、俺は血の海じゃ泳ぎたくはない。
騒然とした雰囲気に飲まれそうな気持ちの中、聞き慣れた声が耳についた。
「藤田、おい藤田!!!!
目ぇ開けろよ、おい!!何でだよ!!!何で寝てんだよ!!!藤田!!!藤田!!!!!」
「大村さん、落ち着いてください!大丈夫ですから!!」
「藤田!!!藤田ぁ!!!!」
押さえ込まれた大村さんは、それでも尚、暴れている。
自分のものともつかない血で体を汚している大村さんは、倒れて動かない藤田さん目の前に錯乱している。
尋常じゃない、普通じゃない、ぱんぱねぇ。そうなのかなぁ?
普段ひょうひょうとしている大村さんからは想像出来ないほどの血相と瞳の色。
自分の傷の痛みもきっと忘れているんだろう。あんなにも怪我をしているのに。
それほど大切な人ってことなのかなぁ。
担架に乗せられた藤田さんに、俺は慌てて階段を下りる。
救急隊の人が大村さんを押さえつけ担架に乗せるも、
大村さんは錯乱のあまり、藤田さんの名前を繰り返すばかりだった。
頭がぼうっとしてきたのか、静かになっていった大村さんは最後に呟いた。
「藤田…ごめん………俺が…………悪い…………」
その瞳は宙を仰ぎ、誰も、何も映っていなかった。
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