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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

286 ◆BKxUaVfiSA:2005/08/13(土) 18:43:01
 〜コール〜

「おーい、ちょっと。俺の話ちゃんと聞いてる?」
「はいはい。もちろん聞いてますよー…」
とある喫茶店の中。二人の男が、素麺をすすりながら会話をしている。
麺が伸びてしまうのも気にしないと言った風に、箸を振りながら一方的にペラペラと喋っ
ている茶髪の男が、向かいの席に座っているやや小太りの男の顔をズイッ、と覗き込んだ。
「でさー……そんでさぁ……なっ、馬っ鹿だろー?」
「へぇ、そうなんですかー」
 ―――それは前にも聞きましたよ。何回も。
とは、いくら仲が良くても相手が先輩なので絶対言えない。それ以前に、こんなに楽しそうに話してくる彼を無責任な言葉で傷つけたくないこともあったが。
苦笑を浮かべ軽く溜息を吐く。そして再びオチの分かり切っている話に耳を傾けた。
「大木ぃー、お前のメロンソーダ旨そうじゃん。ちょっと頂戴」
茶髪の男が身を乗り出して、綺麗なグラスにアイスが盛りつけられているメロンソーダに手を伸ばした。
大木は慌ててその手を払いのける。
「だ、駄目!駄目ですよ!これ俺のなんですから!」
「じゃあアイスの部分だけでいいからさぁ〜」
「それ一番駄目なトコじゃないすか!」
テーブルをガタガタと揺らし、大声を上げながらジュースの取り合いをする。
だがさすがに周りの客の突き刺さるような視線に気付いたのか、戦いは自然と一時中断され、二人は軽く愛想笑いをすると、縮こまって再び椅子にゆっくりと腰を下ろした。

「あ〜あ、何かつまんねーの!面白い事ねぇかなー…」
キシキシと音がするくらいに体重を掛けて行儀悪く椅子の背にもたれかかり、茶髪が呟く。
大木はそれを見ながら、転倒しないだろうか、などと行き場の無い手を宙に彷徨わせてハラハラしている。


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