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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

199 ◆8Y4t9xw7Nw:2005/05/28(土) 03:22:52



「どぉも〜南海キャンディーズで〜す!」
「………ばぁん」
いつもと変わらない、変わるはずのない時間。
だが――分厚い雪雲は、いつの間にか青い空を覆い尽くす。



「……あれ?」
収録が終わり、スタジオから出ようと扉の前までやってきた山崎は、我に返ったようにふと立ち止まった。
先程まで隣に居たはずの相方の姿が見えない。
慌てて振り返ってみると、数メートル先で何やらスタッフと話している山里の姿。
石の副作用でぼんやりしていたとはいえ、あれだけ存在感のある相方が離れていくのを見落とした事に
思わず苦笑しながら、話し込む二人の様子を目を凝らして見てみる。
「……あ」
山里と話しているスタッフの顔には、見覚えがあった。
間違いない、自分が階段から落ちた時に駆け寄ってきた、あのスタッフだ。
スタッフの話を聞いている山里の表情から話の内容に何となく想像がつき、山崎は顔を曇らせる。
「山ちゃん」
少し離れた相方の耳に届くよう少し大きな声で名前を呼ぶと、山里はこちらを振り返った。
見慣れた、やけに目立つ立ち姿。
だが――次の瞬間弾けるように心に浮かんだのは、あの微かな違和感だった。
深く深く刺さる、小さな棘。
「ごめんごめん、ちょっと話し込んじゃって」
話を打ち切って駆け寄ってきた山里が、不思議そうな視線を向けてくる。
「……どうかした?」
「何でもないよ……行こか」
ふとした瞬間に感じる微かな違和感が、日に日に回数を増やしていく。

――許されないのだろうか、もう少しこのままで居る事は。例え逃げだとしても、留まり続ける事は。


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