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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
152
:
ロシアン・シュー </b><font color=#FF0000>(dkDoE4AQ)</font><b>
:2005/03/20(日) 13:37:35
「それで、ライブ前のあの茶番は何だったんだよ」
モツ煮込みを頬張りながら、藤田が大村をきろりと睨む。ライブ後の打ち上
げと称して二人で居酒屋に来たのはいいが、結局のところ三時間前に石を使っ
ていた大村の行動の理由が気になるのだろう。あの時、石を使ってまで何をし
たのか、藤田はそれを聞きたがっている。さすがに冷静に考えてみれば、ジ
ュースのオゴジャンのためだけに三回連続で石を使って成功率に細工をしたと
は信じられない。
「おやおや…茶番呼ばわりとは穏やかじゃないねぇ」
「穏やかじゃなかったのはおめーだろ。ガラにもなくマジだった」
「…ま、確かに」
さてどこから話し始めたもんかな、と一瞬間を置くと、藤田は間髪入れず、
「誰が居た?」
いいところを突いてきた。
「…誰も居なかった」
「誰か居たんだろ」
「誰も居なかったのはお前も見たろう」
居なかったのを見た、とはおかしな言い方だが、藤田は肯かないわけにはい
かない。あの時の大村は、確かに虚空を睨んでいたから。
「ただし、俺の目にはある男が映ってた」
「誰だよ」
「…俺らより知名度のあるコンビの、ボケの方」
「石は?」
「…持ってなかった」
じゃあ丸腰の相手に向けて石を使おうとしていたのか?藤田が眉を寄せるの
を見て、大村が続ける。
「俺の目には見えてたけれど、実際は居なかったって言っただろう。つまり、
幻覚だ。幻覚が、石を持っているわけはねぇ。それに、あの時点で俺は、相手
が幻覚だとは知らなかった」
そういうことだ、と言って藤田を安心させるようにひとつ肯く。
「つまり、どこからかその幻覚を操っていたやつがいたはずだ。石の力を考え
ると、多分すぐ近くで。…それが誰か、俺には分かんねぇけど」
「…」
藤田は、アフロの下の力強い眉毛をぎゅっと寄せて、何かしら考え込んでい
る。
「藤田」
「…一人だけ、可能性がある。いや、俺自身はこれっぽっちもそんな可能性信
じてねぇけど」
「…藤田?」
「俺らが今聞いてるとこを信じるならよ。石を持ってるってことは、芸人って
ことだろ。今日はいつものライブじゃねぇよ。俺らのバンドのオンリーライブ
だぜ?」
「…藤田おまえ」
驚いた表情の大村に、藤田がその人物の名前を告げようとした瞬間。
「もうええよ、藤田」
額を寄せ合って話をしていたふたりの上に、影が差す。その人物は、大村の
背後から近付いており、声を掛けられた藤田が先に顔を上げて、その人物を見
とめた。
それはまさに、藤田が名前を口にしようとした人物。
「…樅兄…?」
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