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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
105
:
“Black Coral & White Coral” </b><font color=#FF0000>(t663D/rE)</font><b>
:2005/02/21(月) 03:05:57
「俺の『世界』は簡単には崩せませんよ。」
これで飯喰ってる訳ですし、とフッとその口元に自信に満ちた笑みが浮かんだかと思えば、
大竹は組んでいた腕を解き、ズボンの後ろポケットからもう一つ、石を取り出してみせた。
「・・・・・・あれは・・・っ!」
その石が蜂蜜色の輝きを放つ虫入り琥珀だと小沢が気付いた瞬間、石から光を帯びたエネルギー波が放たれて。
至近距離からのそれを避けられるはずもなく、直撃を受けた豹男は数mほど吹っ飛ばされ、
何かうっすらと記憶に残っている古いバラエティ番組のセットに激突した。
「大竹・・・お前、その石・・・っ!」
ブワッと埃がまき上がる中で集中力が切れたのか、男の皮膚に浮かんでいた豹紋が消え、変身が解ける。
けれどそんな事よりもまず、三村は切り札を安易に使った大竹に突っかかっていた。
「勝手に持ち出して使うなってマネージャーにも言われてただろ!」
「別に1回ぐらいなら大丈夫だろ。ケチケチするな。」
「そういう問題じゃ・・・っ」
自分と三村の周囲に張ったブラックスターの力を解除し、豹男に向けた態度が嘘のようにへ
らっと無責任げに笑う大竹に対し、更に言葉を重ねようとする三村だったけれど。
バキッとベニヤ板が割れる音が上がって、すぐに表情を変えて男の方を向いた。
「少し・・・お前達の力を侮っとったみたいやな・・・。」
獣化の影響で肉体強化も施されているのか、男の虫入り琥珀によるダメージは
それほど重いモノではなかったようだ。
ゆっくりと立ち上がり、クックと笑いながら男は首元のチョーカーに意識を集中させていく。
皮膚に再び浮かび上がる豹紋は色濃く、今度は身体も大幅に変容していく。
漫画やゲームなどで見られる半人半獣の如き姿は、なかなかに脅威であろうけれど。
「お前は特撮の悪役かっ! 怪奇、豹柄男!」
さっさと倒れろ! と怒鳴る三村に呼応して彼の石であるフローライトが輝きを放ち、
どこからともなく黒地に白で模様の入った全身タイツを着用したマネキン人形が高速で飛来してくると、
変身途中で回避行動を取る暇のない男の鳩尾に直撃した。
どうやらこれがとどめとなったようで、レオパードスキンの男はまたその場に倒れ込み、気を失う。
場に満ちていた緊迫した空気と石の気配は今度こそ薄れ去っていくようで。
「・・・ったく、手間掛けさせやがって。なぁ。」
「・・・・・・・・・。」
安堵の吐息を一つつき、大竹に告げる三村であったが、当の大竹は何も喋らない。
ブラックスターの維持で精神力を消費し、疲労しているだろうていた事を差し置いても、
何か物憂げな大竹の態度に三村は一瞬キョトンとした表情を浮かべてから。
「まさかお前、あいつの言ってる事・・・真に受けてるんじゃねーだろうな?」
「・・・・・・いや。ただ疲れただけ。」
軽く眉をしかめつつ訊ねる言葉に、大竹は軽く首を横に振って、そう応じて見せた。
「そう。なら良いンだけどさ。」
この男がそう言うなら、そうなのだろう。
そんな妙な納得の仕方で疑問をぬぐい去り、三村はレオパードスキンの男の方を見やった。
「とりあえず石は没収して・・・さっさとずらかろうか。」
「・・・だな。」
いつまた男が目を覚ますかわからないし、部外者が入ってきて面倒な事になる可能性もある。
長居は無用、と大竹の同意を得た事で三村は男から石を回収しようと駆け寄っていく。
「・・・別に、世界の平和を護るために戦っている訳じゃねぇし。」
そんな三村の後ろ姿を眺めながら、不意にボソッと大竹の口から呟きが漏れた。
黒側が主流になれば、白側や元白側だった芸人が不遇に陥る事はあるだろうが、
だからといって一般の人々にはそれほど大きな影響は与えないだろう。
それでも何故、戦うのかと言われれば。
「問題は白とか黒とかじゃなくて・・・単に相手に屈するのが、厭なだけだし。」
そういう事ではまだ若いんだろぉなぁ・・・俺ら。
そう続け、溜息を付く彼の言葉は男からの問いへの彼なりの答えであろうか。
「・・・・・・・・・。」
白き石の使い手の先駆者が発した言葉を、真剣な表情で聞き入っていた小沢であったけれど。、
一通りの出来事の再生が終わった為か、その視界はまた歪み始め、全身の感覚は薄れていく。
虫入り琥珀が次にどこへ小沢を誘い、何を見せようとしているのかはわからないけれど。
・・・赤岡くんの記憶を掴まえて、琥珀の外に引っぱり出すためならば。何が来ても、見届けてみせる。
もしかしたらこのまま琥珀の見せる世界から脱出できなくなるのでは・・・という怖れを押さえ込んで
小沢は改めて意志を固め、おぼろげな感覚ながら両手をグッと握りしめた。
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