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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

95「¥1000」 ◆uIwU8V3zEM:2005/08/14(日) 11:33:59
その言葉に中山はやっと「誰にも言わんといてな」という前置きつきで話し出した。
根来川の目つきが真剣になる。
「……こないだな、その石な、」
「うん」
「ピカって光って、五円玉浮かしてん」
「ウソォ!!?」
根来川はそう大仰にも見えるリアクションを返すと、手中の石と中山を訝しげに見比べた。
一方の中山は、「言わへんて言うたやん…」とぶつぶつ言っている。
「…ごめん、でも、ありえんない…?」
「ありえへんも禁止ー。」
「いや、でもそうだって」
なおも訝る根来川に文句を言う中山。
そのやりとりをもう少し続けた後、中山がため息をついた。
「ほんまやって、見たんやから。」
「…五円玉浮くとこ?」
「うん。石いじっとったら光って、たまたま机にあった五円玉、浮いてん」
「………ほんと?」
「ホント。」
「…うそお」
「うそちゃうて。」
その応酬も何度か続き、中山は焦れたように頭を掻いた。
「……そんなの、あるの?」
「…ある…んちゃう?あったし。」
そういうと、二人は黙り込んでしまった。
しばらくの沈黙の後で、根来川が口を開いた。
「…その売っとったおばさんのとこ…行った?」
「うん。行ったんやけど、もうその公園にはおらんかった。」
またも少々の沈黙。
手持ち無沙汰そうな根来川は、また石を観察しはじめた。
「…その五円玉どこ行ったの」
石を見ながら言う。
「オレがパニクっとう間に消えた。」
「消えた?」
「…消えた。」
勘ぐるような根来川の目つきに、中山はまたため息を吐く。
「信じてくれへんのー?」
お前やから言ったのに。
特に根来川からの催促があったわけでもないのだが、中山はそう言ってむくれてみせた。
「いや、だってそんなの…」
その反論は、途中で途切れた。


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