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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

681眠り犬 ◆XU22gipAH.:2013/04/10(水) 20:09:48
 今はM-1に集中したい。ユニットに所属する漫才師であっても、そう思う時期だ。
しかし、長身でやや威圧感のある高野と松田に睨まれても、中肉中背のコンビは引かなかった。
そして、帽子の男の駄目押しの一言。
「別の日に、いきなり襲われるよりはマシだと思いませんか」
「…二郎ちゃん、どーするよ」
「めんどくせえけど行くしかねェだろ、ドライブ」

 アマチュアコンビが戦いの場所に選んだのは、小さな廃ビルの地下駐車場だった。
 車から下りた四人は二対二で向かい合い、対峙する。
「ちょっと待ってて下さい」
 眼鏡の男が、石を握った拳を天高くかざした。淡い光が辺り一帯を包んで、消える。
「これで一般人はここに来ません。石持ってる人には効果無いですけど」
 帽子の男は、筆ペンとメモ帳サイズに破られた半紙を、ジャケットのポケットから取り出した。
半紙を地面に置き、筆ペンを使って『刀』と書く。かなりの達筆だ。書道が彼の特技なのだろう。
目映い光を発する半紙。次の瞬間には半紙が置いてあった所に、時代劇に出てくるような日本刀が存在していた。
今まで何度か『正当防衛の喧嘩』をしてきた東京ダイナマイトも、これには目を丸くする。
「じゃ、始めますか」
 刀を鞘から抜いた帽子の男の目は虚ろでありながらも、鋭い殺意が宿っていた。
からんと鞘が落ちる音。現実味が無さ過ぎるせいか、思わず笑ってしまう高野と松田だ。
「全然面白くないよ、そのボケ。人殺しになりたいのか?」

 問い掛ける松田に、アマチュアコンビは嬉しそうな笑みを返した。

「はい。なァ、この人達を殺したら、俺らプロの芸人になれるんだよな?」
「『手加減しなくていい』って言われたろ。殺しても、何とかしてくれるって意味だ」


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