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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

672眠り犬 ◆XU22gipAH.:2013/04/09(火) 17:50:47
 作られた状況は『南海キャンディーズと加勢に来た芸人を仕留めろ』という、無茶な命令に他ならない。だが。
「指示に無いことする筋合いはねえし、ペナルティ科せられる筋合いもねえだろ」
「……それもそっか」
 幸いなことに、彼らは操り人形ではなかった。俺達が『黒』を選んでやった。少なくとも高野はそう思っている。
「ちょっと待ちなさいよ!」
 立ち去ろうとする東京ダイナマイトを呼び止める必死の声。
「青木」
 振り返った松田は、青木の心を見透かしたように言う。
「俺達がお前に手を出さないと思って一人で来たんなら、大間違いだぜ」
 大きく目を見開いて硬直する青木を見た松田と高野は、ふっと笑い、彼女とすれ違うように、歩みを進めた。

「た、助かったぁ……」
 実は青木に引きずられた辺りから腰を抜かしていた山里が、よろよろと立ち上がり、笑顔を見せる。
「青木さん、ありがとうございます!」
「私は何もしてないわよ」
 そう言った青木の表情は、苦悩に満ちていた。
「何も出来なかった」
「私らが助かったんは、間違いなく青木さんのおかげです。ありがとうございました」
 俯く先輩に、山崎も笑みを見せて、深々とお辞儀をする。
「…どういたしまして」
 山崎の言葉に救われた青木も、ようやく微笑んだ。


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