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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

660青い石の魔法使い:2013/03/17(日) 14:40:37
時は2004年5月。
とあるテレビ局の楽屋で、一組の若手芸人コンビが次の番組出演に備えている所だった。
そのコンビの名はスピードワゴン。前々年のM−1グランプリ2002で、敗者復活枠で決勝に
進んだ事がきっかけで頭角を現し、今や全国区の人気と知名度を持つ売れっ子の一組にまで
出世を遂げた若手の出世頭の一組である。
そんな彼らの本番前の一時、黒髪の青年―小沢一敬は、テーブルに頬杖をつきもう一方の手で
何かをつまんでひっくり返したりしながら眺めている。彼は後の石を巡る激闘において
「白ユニットの作戦参謀」と称され数々の活躍をする事になるのだが、それはまた後々の話。
彼の手の中にあるそれは、わずかに緑がかった青い透き通った石。その石を、彼は先刻から
指で弄びつつ飽きもせずに眺めているのだった。
そんな様子に、傍らで雑誌か何かを読んでいた、少しくすんだ色の金髪をトサカのように立てた
青年―井戸田潤が声をかける。彼もまた、後の石を巡る激闘で常に白ユニットの先頭に
立って数々の活躍をする事になる者である。
「さっきから何眺めてんの?ずいぶんきれいな石じゃんそれ」
「うん、これね…昨日、鞄からポロッて出てきたの。なんかきれいだから気に入っちゃって」
「ふーん。そういう物気に入るなんてなんか小沢さんらしいな」
「そう思う?」
ここで井戸田が壁の時計を見て、本を閉じつつ小沢に声をかける。
「いい時間になったし、そろそろネタ合わせすっか?」
「そうだね」
小沢は弄んでいた石を胸ポケットに入れ、井戸田と同時に立ち上がるとネタ合わせに入った。


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