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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】
656
:
カンナ
:2013/03/15(金) 13:40:45
そう、『それ』は知らない石の気配だった。が、気配を感じること自体は別に大したことじゃない。強い力を持った石が近くで発動すると、石の使い手はそれを察知する。姿も見えないような距離から気配がわかるほど強力な石は珍しいものの、全く存在しない訳ではない。過去の号泣の行動指針上、強力な石は幾つも見てきただろう。それは敵のものだった時もあれば味方のものだった時もあり。石を持ちたての若手ならばともかく、いくつもの修羅場を潜ってきた彼らはちょっとやそっとのことじゃ動揺しない度胸が身についていた。
しかし、『それ』は明らかに今までの石とは毛色が違う。悪意なんて言葉じゃ生温い。まるで全てを憎み、破壊するためだけが生きがいだとでも言うような、身も竦むような負の感情に溢れている。
「分かりましたか?」
「お、おう。でも、え、え、なにこれ?え!?」
「いや僕が聞きたいぐらいですよそんなの!日村さん心当たり無いですか!?」
「ないないないない!え、つーかこれやばくね?」
一転、焦り丸出しの表情で泣きつく島田と、それに感化されたか一緒ぐらい慌てる日村。周囲からの不思議そうな視線に気づく様子もなく、わたわたと話し始めた。
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