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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

654本71現637:2008/08/17(日) 14:13:50
―驚くね、お前がそこまで執着してたとは。
土田の石・ブラックオパールが、ここで初めて言葉を発した。
「…ともかく、コイツには死なれちゃ困るんだよ。俺まで消えちまう。なあ、なんとかならねえのか?」
柴田、いや正確には柴田の体を借りたファイアオパールは、いつの間にか弱気な口調になり始めていた。
「そう焦んなよ。要は、お前が暴れすぎなきゃいいだけじゃん、」
相変わらず軽い調子で設楽が宥める。
「俺たちは『白を潰す』って目的が一致してるんだからさ。もっと仲良くやろうぜ」

「…君の目的を中心に置いたシナリオを書くよ。それで問題ないんじゃないかな」
小林が穏やかな口調で提案した。言いながら横目でちらりと設楽、土田の顔を窺う。
「ああ、俺ならいーよ、」と設楽。「じゃさ、ついでに前のシナリオで達成できなかった辺りとかクリアできない?」
「分かりません。ただ、どちらも叶えるとなると、それなりに複雑なものになってしまうかと」
「要は失敗しやすくなるってことでしょ?」土田が口を挟む。
「その確率は多少上がることに…どうします、どちらかの確実な成功を取るか、一気に2つ片付ける賭けに出るか」

「後者だろ」
冷静な声は、意外にも柴田だった。
「上手くいくときはいくし、いかないときは何やっても上手くいかねえんだよ。確率なんざ問題じゃねえ。
ただ言えるのは、あんたのシナリオで上手くいかないなら、俺は何をやったってどっちみち消える運命にあるってことだ」

「…いいね、そーいうの」
少しの間を経て、設楽が楽しそうに笑った。
「オーケイ、決まりな。賭けに出ようぜ。失敗したら、そういう運命なんだよ」
「でも…」
小林は何か言いたげな様子だった。堅実に事を進めたい彼としては、危険な橋は渡りたくなかったので。
「俺もいいよ、後者で」
土田もそう言って手をひらひらやった。早くやってくれ、と言わんばかりに。
3人をそれぞれ見つめた後、小林は胸ポケットから手帳とボールペンを取り出した。
「…失敗しても俺のせいにしないでくださいよ?」
不満げに呟いた小林に、「そんなことするわけないじゃん、したことあった?今まで」と設楽。

しれっとしたその様子を見て、どの口が、と言い掛けるが、ともあれ彼はボールペンを1回、ノックした。


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