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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

624暗膿-予告編- ◆8Ke0JvodNc:2007/12/18(火) 21:04:56
はじめまして、能力スレにラバーガールの能力案を募っていた者です。
ずっと読み専だったので色々とおかしな点もあるだろうし
いきなり本スレというのも気が引けるので、予告編として投下します。

そういえば、石。
自分達とバイト店員以外はいないモスバーガーで大水が何の気なしに呟いたのは、
ちょうどネタをつくっている最中のことだった。
それが今までネタの案を挙げていた口調と全く同じに呟かれたものだったので
反射的に「石」と書いてしまった飛永はその一文字に取り消し線を引きながら顔を上げた。
「石?」
「とうとう来ちゃったよ」
そう言いながらゴソゴソと取り出した大水は、石をテーブルにコロンと転がす。
テーブル上を落ち着きなく転がりまわる球体の石は紺色の絵の具に白を混ぜたような深い青で、
透き通ってはいないかわりにしっかりと磨かれ、キラキラと輝いていた。
石の様子を目で追う飛永に、アベンチュリンっていうらしいよ、と大水は告げる。
「アベ…なに?」
「アベンチュリン。別名はインド翡翠。あ、でも翡翠では無いんだって。
翡翠に似てるからそう呼ばれているだけで。
似てるって言われるだけあって大抵は緑のものが多く出回っているんだけど、
こういう風に青いのは珍しいんだって。それで…」
「ちょ、ちょっと待って」
止めなければいくらでも話し続けそうな大水を一度制して、飛永はノートを閉じた。
こういう話はついで感覚でするものじゃないし、何より聞きたいことがたくさんあったからだ。
飛永は石をつまみあげると大水に渡してしまうよう促し、きちんとしまったところで口を開いた。
「なんで種類とか知ってるわけ?」
「調べてもわからなかったから、持って行って聞いた」
しれっと答える大水に、飛永は驚きと呆れを隠せなかった。
ひくりと顔がひきつったのが自分でもわかる。
大水の口ぶりから石を手に入れたのはここ数日の出来事なのだと勝手に解釈していたが、
もっとずっと以前から大水は既に石を手に入れていて自分に黙っていたのではないか。
嫌な予感を否定してくれるようにと、飛永は祈るような思いで言葉を続ける。
「ちなみにその石で何が出来るかわかってるとか言わないよね」
「いや、もうわかってるけど」
頼みの綱も簡単に切られ、飛永は頬杖をつくと大きなため息を吐きだした。
噂を聞く限り、石を手に入れた者が能力に目覚めるのは個人差があるという。
石を手に入れた瞬間反射的に能力に目覚める人もいれば、
何かの拍子に発動して初めて能力を知る人もいる。
大水のことだから手に入れてすぐに能力を…という仮定も出来ないことはなかったが、
そういう人はごく少数だそうなので、多分石を手にしてからある程度経っている可能性の方が高い。
別に自分に言わなければならないという決まりごとはなかったが、
石については散々二人で話していたことだったのだから
手に入れていたのならすぐにでも教えてくれたっていいだろう。
飛永は恨めしげに大水を睨むと、もう一度深いため息を吐いた。


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