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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

609581:2007/09/08(土) 01:55:55
直後、携帯の電子音が鳴り響く。急な物音に心臓が跳ね上がった。
「あ。わりい、俺だわ」と有田。のそのそと応答して。
何やら親しげに会話を交わしたあと、それを渡部に差し出してきた。
「…え、」
「上田。替われってさ」
よく分からないまま携帯を受け取り、もしもし、と呼びかけてみる。
『おう、どうだ、よく寝られたか?』
「…はは、おかげさまで」受話器越しのジョークに、力なく笑んだ。
『ったくよー、自販機前で忠告しただろ?”体に気をつけろ”ってさ』
叱られた。何だ、そういう意味だったのか、あれは。
「って上田さんも知ってたんですか、石のこと」
『まあな。大体あれだ、お前が寝たフリしてた時、光ってたぞ、石』
「……」
『児嶋からお前が倒れたって聞いたときは、まあピンときたね』
「…すみません」
『病院に担ぎこむのも、ややこしいしな。
それにその症状じゃ周期性傾眠症とか言われるのがオチだろうから、
とりあえず児嶋には、車で有田ん家に運ぶよう指示しといたってわけだ。この俺が』
「あー…」倒れるまでの記憶が蘇ってくる。石。設楽。同調。以降闇のち現在。
『うお、じゃあな、後で柴田にも礼言っとけよ!』
そう言い残すと、上田は慌ただしく電話を切った。
仕事の合間に、わざわざ電話をくれたのだろう。その心遣いが嬉しい。
渡部は、やっぱりこの人のほうが忙しそうだな、と改めて思った。


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