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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

608581:2007/09/08(土) 01:44:39
山崎から水の入ったコップを受け取り、一気に飲み干す。
その渇きの具合から、気を失っていた時間が長かったことを、悟った。
「…どれぐらい寝てました、僕」気になっていたことを尋ねてみる。
有田は腕時計を見やり、今は1時前だなあ、と噛み合わない返答。
「1時…ってことは…?」
「ああ、夜中のですよ」山崎が補足する。いや、うん、そこじゃなくてさ。
「冗談冗談。11時間ちょっとだよ。仕事の方は田中がなんとかしてくれたから」
当たり前のような口ぶりで有田。しかし、どうしても意味が飲み込めない。
「…田中…?」
「ああ、アンガールズのですよ」山崎が補足する。いや、うん、そこじゃなくてさ。
改めて有田に問う。「っていうか、田中が何をしてくれたんすか?」
「収録を来月に延期するよう、プロデューサーさんに頼んでくれたんだよ」
「ほら、石ですよ。田中さんの能力、相手を納得させるやつなんです」
山崎の補足。今度はありがたかった。
(…って、石、だって?)目を見開く。
田中が石を持っていること以上に、有田と山崎がその能力を把握していることに驚いた。
「あれ、石、知りません?渡部さんだって持ってるじゃないすかあ」
「っていうか、力の使いすぎでダウンしたんだろ、お前」
「いや、その…」どう答えていいか分からない。
「聞いたぞ、児嶋から。何で隠すんだよ」不機嫌そうに、有田。
「そうですよ、水臭いなあ、」山崎も、軽く笑って便乗する。「仲間でしょ、俺ら」

――『仲間』。

月並みな単語だが、その一言で幾分心が軽くなった気が、した。


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