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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

594581:2007/09/06(木) 00:42:11
渡部が自分の能力に気づいたのは、その日の収録終わりだった。
自販機前の長椅子に座り、右手の缶コーヒーを一口。熱くて苦い。
そこに「お疲れさん」と呼びかけてきたのは、上田だった。
その右手には缶ジュース。見たことのない派手な柄だった。何味なんだろう。
「お疲れ様です…最近忙しそうっすねえ」
苦笑混じりに、渡部。皮肉ではなく、心からの労いだった。
おかげさんでな、と笑んで、上田は缶の封を切った。シパッ、と清々しい音。
「あの、上田さん」
隣に腰掛けた先輩に再び口を開く。何か話さなくては。ええと。
「何だ」
「…あー、どうです最近」
「アバウトだな」
円周率か、と呟きジュースに口を付けている。それにしてもカラフルな缶だ、と思った。
「もうちょい具体的に聞いてくれよ」
「そうっすね、じゃあ…味とか?」
「うは、何じゃそりゃ!中身吹き出すとこだったぞ、はは」
「何だちょろいな…」
冗談めかして呟くと、くしゃくしゃの笑顔に額をはたかれた。


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