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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

50[title] アウトレットシアター ◆EI0jXP4Qlc:2005/06/22(水) 23:29:01

 「さあ、地獄を見せてあげよう」

 ……。

 「どーもぉぉぉぉぉ!!」
 下手から勢いよく飛び出した俺ら、爆笑問題は、そのままセンターマイクの元へと駆け寄る。
 「ねぇ〜漫才しますけどねぇ〜」
と、太田さんはヘラヘラと笑いを浮かべながらそう言った。やる気があるようには見えない。っていうか無いのだろう。
 実際俺も無い。だって、この300人収容の劇場に客二人しか居ないのだから。
 その客二人は、両方男。俺らよりもだいぶ年が若い。片方は俺らのほうを見て薄気味悪い笑みを浮かべている。ウケているのだろうか? よく判らない。
 もう片方はさっきからずーっとしたを向いたままただ。何か書いているようだ。レポートか? まさかな……。
 「唐突ですが、俺の話を聞いてくれますか」
 俺はそのように話を切り出す。太田さんはヘラヘラ笑ったまま、
 「ん? 客が二人しか居ないからヤル気なくしちゃった?」
 「違う。あのさ、尋ねたいことがあるんだけど」
 「ナニナニ」
 俺はまじめにこう尋ねた。
 「クソまみれの宝石ってどう思う」
 客席から噴出す声が聞こえた。太田さんはそれを無視してこう答える。
 「あんまり、よくないね」
 「あんまりで済むのか」
 「うん。っていうか何、お前さぁ、宝石食べちゃった?」
 俺は開き直ったように、頷く。
 「そうさぁ」
 「うえぇぇぇ。しんじらんない。ありえない。明らかに食べ物じゃないのに」
 「いやさぁ、キャンディーだと思って食ったの。だけど味しないのね。吐き出そうと思ったらさ、お前が行き成り声掛けてきたから、驚いて飲んじまったのさ」
 「え? 俺の所為なの?」 
 太田さんは「マジ理不尽」と言う顔をした。
 「まあ、そうとは言えないけど、でもさ、あの宝石くそまみれで出てくるのかと思うとさ、残念じゃん」
 「売れないよね。くさくて」
 「だよ、最悪だよ」
 ここで一呼吸。太田さんは客席をいじり始める。
 「お兄さんたちー、こんなとこくるなんて、よーっぽど暇なんだね」
 未だにヘラヘラと笑みを浮かべる相方。最悪だ。俺は言う。


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