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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

459名無しさん:2006/07/06(木) 15:51:14
THE GEESE短編いってみます。
戦いの描写もないし、酷く短いですが。

石を放棄してはいけない。
(僕らは戦うべきなのだ)
石に呑まれてはいけない。
(僕らは強く在るべきなのだ)

"意思"を持たなくてはいけない。
(僕らは強き心を持つべきなのだ)



攻撃されたから自己防衛をしたまでのこと。
肩で息をする茶髪の端正な顔立ちの青年――THE GEESEの高佐一慈は石を"解放"したばかりだった。
足元には輝きを失った石を持つ黒の男達が転がっていた。
高佐を黒に引き込もうとした彼らは高佐の力によって返り討ちにされたばかりであった。

「(…何なんだ…)」

「(何なんだ、この、力は…)」

ピリピリと軽く手が痺れている。美しく穏やかな光。優しく、強大な力。
高佐は確かに、その石に魅せられていた。


高佐が力に目覚めた頃、尾関は石のことについて調べていた。
不思議な力を持っているであろう、この石。
高佐が石を見つけた時と同時期に尾関も石を拾っていた。
蜘蛛の巣を被ったような柄の石。蜘蛛の巣ターコイズというらしい。
尾関はその石をネックレスに加工して、ポケットにいれて常備するようにしていた。
手で石を握るとビリビリと空気が揺れているように感じた。
まるで、相方の危機を教えているように、強く、揺れて。
「高佐は…大丈夫、なのか?」
尾関は急に不安な気持ちに駆られ、石をポケットに入れ、携帯電話を持って家を飛び出した。
(たかさ)
(どうか、どうか、無事でいてくれよ。)


「ふふ…お見事、だねェ。」
パチパチ、と軽い拍手。高佐は背後からした声に過敏に反応して、後ろを振り向く。
穏やかで、優しい重圧のかかる声。そこにいたのは、



「設楽、さん…。」



ニッコリと微笑んで設楽は高佐に近づいていく。
ポン、と肩を叩いてそっと耳元で呟いた。

「黒に、入らない?」



――尾関が到着するまで、あと少し。


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