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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

441[バカルディ・ブラックラム(side:大竹)] ◆yPCidWtUuM:2006/04/06(木) 03:25:03
舌の上で転がしていた塊に意識をやる。
飴、のはずのそれは、早くも形態をほとんど失っており、どろりと液状に変形していた。
「黒い欠片」の存在は知っているが、あまり関わらずにきたのでよく知らないのだ。
黒に入って回ってきた仕事で、この欠片を自分たちが扱う機会は一切なかった。
…そう、まるで故意にそれから遠ざけられているかのように。

途端に気味が悪くなってペッ、とちり紙に吐き出す。
それは薄い紙の上でさらさらとした小さな結晶のあつまりに姿を変えた。


 お前を操りてぇって奴がいるのさ、昔もこんなことあっただろ
 『そういや、黒い粉薬みてぇのもらったこともあんな…気味悪ぃから捨てたけど』
 これが効かねぇからお前、昔襲われまくったってのに…まだ渡す奴がいるんだな
 『なんだそりゃ、そうだったのか?』
 そうだよ、欠片が効かねぇ石はあんまりねぇからな…俺の意志とお前が使う力のせいだ
 『…攻撃は効かねぇし、許可がなきゃ中には入れねぇ、ってことか』
 そういうこと、俺は欠片の侵入なんざ許可しねぇ、だから連中は一旦諦めて、お前を仲間に引き込んだ


…それはまた、すっっげぇ、めんどくせぇ話だな。
あんだけ毎日のように襲われてた理由が今になってわかるっつーのも皮肉なもんだ。


 俺たちは黒にとっちゃ、厄介なんだ…敵でも味方でも、どっちにしろ支配できねぇ
 『何だ、俺らがめんどくせぇヤツってことか』
 その通り、自分の立場ってヤツをよく覚えとけ、そんで使え…お前がめんどくさくねぇモンのために
 『…りょーかい』


ブラックスターの声が、遠くなり薄れていく。
この石と俺はうまくやっている。これからも多分そうだろう。
ポケットから飴に模した黒い欠片をひっぱりだして、全部捨てた。

白でも黒でも、めんどくせぇことはそれなりにある。
みんな、めんどくさくねぇモンのために、めんどくせぇ日常を送るのだ。
うっすらと開いた目の端っこで、三村は相変わらずだらしねぇツラで爆睡している。


…まあ、そういう、めんどくせぇ日常。


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