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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

431 ◆9BU3P9Yzo.:2006/03/30(木) 18:14:33
ふいに浮かんだ疑問が、兼光の口からこぼれる。
「高松は、白や言うてたやん」
高松─その言葉が響いた空間がゆらりと揺れた。
「!」
岩橋が石の力で作りこんだ球を、とっさにその歪み目掛けて投げつける。何も無いはずの空間に弾かれ、衝撃波が砕け、轟音とともに閃光を放つ。
「やった!」
「クリーンヒットや!」
相手に当たったと核心し思わずその方向に視線を向けた、たった一瞬の気の緩み。ふいに岩橋の視界が外れ、地面に叩きつけられた。
背中に圧し掛かり、片腕を逆に折り固めた篠宮が、にこりと兼光を見つめる。
「あんなんが『ヒーロー』に効くわけないやろ?」
「何が…っ、ヒーローじゃ…!」
苦しげに呻きながら岩橋が毒づく。
相方を抑えられ、石も持たない兼光は篠宮の楽しそうな笑顔に圧倒されながら動けないでいた。
「お前…白、ちゃうんか」
ようやく出てきた言葉に、篠宮は一瞬あっけに取られたような顔をすると、声をあげて笑い出した。心底おかしそうなその姿に、何故だか言いようの無い気味悪さを覚え、二人は戸惑うように視線を合わせる。


ぴたりと、笑い声がやむ。

急にしんと空気が凍るような気がして背筋を振るわせた。
「黒も白も関係ないわ。俺が頂点になる」
低く、貫くような声に、息を飲む。
「そのために、邪魔な石は全部壊す。手始めに──」


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