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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

424oct ◆ksdkDoE4AQ:2006/03/14(火) 22:19:39
「おい、聞いてんのかよ?」
「うん…聞いてる聞いてる」

 曖昧に頷いて、吉野は屋上の端に立つ今仁へと近付いていく。

「それより、そろそろ時間」
「…あー」
 彼らがここでこうして、ビル風になぶられながら話しているのにも理由がある。
「俺らの石はあんま今仁好みじゃないかもしれないけど、でもまぁこうやって設楽さんからの
命令も受けてんだしさ、捨てたもんじゃないと思うよ」
「…まぁな」

 吉野が今仁の隣に並んで立ったところで、タイミングよくこの屋上への扉がキィ…と軋んで
開いた。

「来た」
 今仁が明らかに目にキラキラしたものを宿して呟く。

 ドアの影からひょこりと顔を出したのは、眼鏡をかけた小柄な男と、茶色い髪をした中肉中
背の男。きょろきょろと屋上を見渡し、並んで立っているビームを見つけると、両方が軽く首
をかしげてから顔を見合わせた。
「…今仁さんと吉野さん」
「だな」

 見るからに不審がっている彼ら二人に声を掛けたのは今仁。
「オキシジェンのお二人ー、いらっしゃーい」
 陽気なその声に、眼鏡の男…オキシジェン三好と、茶髪の男…オキシジェン田中は、見合わ
せていた顔を再び事務所の先輩へと向ける。
「え?俺ら呼び出したのって…ビームさんなんですか?」
「うん」

 人影のないビルの屋上。しかも時間は夜。こんな所にこんな時間に呼び出されて不審がらな
いわけもなく。
 特に、昨今は石を巡る戦いとやらで事務所内のみならず芸人の世界全体に緊張が満ちている
ことを、若手といえどオキシジェンの二人も知っている。


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