したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

415 ◆yPCidWtUuM:2006/03/11(土) 15:20:49

[バカルディ・151プルーフ<11>(side:大竹)]


…これは間に合わない。御愁傷様。

早くも諦めが入り、その場で土田にむかって手をあわせる。
三村のポケットに中にあったらしい石が強烈な光を放ち始めていた。
その光の眩しさに思わず目をつむると、三村の怒号が響く。


「土田お前…お前、この、『駄馬がっ!』」


そう三村が叫んだとたんに土田は、凄まじいスピードで三村家の玄関から吹っ飛ばされた。


「 『駄馬が!』 ?!」


…『駄馬が!』って三村、それ土田へのツッコミなのか?!
フローライト、お前の解釈ではツッコミだったんだな? お前三村かよ!

駄馬がピューッと空を飛んでいくならまだしも、土田が空を飛ぶということはそうとしか思えない。
一般的には絶対ツッコミに分類されないだろう言葉に一瞬状況を忘れて逆にツッこんでしまった。
…本当にうちの相方は、ツッこみどころの多いツッコミだ。

その間に、土田はマンションの外に面した廊下の柵を越えてすっ飛び、空中に投げ出された。
大柄な土田の身体は、重力に逆らわず急速に落下をはじめる。

…そう上階から落ちているわけではないが、このままでは骨折程度は免れない。
慌てて駆け出して、土田を追って階段を降りようと手すりに手をかける。


「土田っ…!」


叫び声が響くマンションの前、地面すれすれで土田の身体は突如現れた赤いゲートに呑み込まれ。
そして緑のゲートでもう一度現れると、玄関前の廊下に背中から落ちてきた。


「いっ…てぇ…」


腰をしこたま打ちつけたらしい土田はコンクリの上でうずくまる。
これがあの場所から普通に落下していたら、と思うとぞっとした。
三村の力は一見間が抜けているが、使いようによってはかなり強力で、恐ろしいものだ。
普段は意識していないが、こうした爆発的な力を見ると嫌が応にも気づかされてしまう。


「おい三村、気ぃすんだか」
「…」


自分よりもだいぶ大柄な男を吹っ飛ばした相方のほうを見やれば、放心状態だ。
凄まじい勢いでツッこんだせいでかなり体力を消耗したらしく、その場に座り込んで呆然としていた。


「三村」
「あ…」


二度目にかけた声でやっと正気に戻ったらしい三村の目に光が戻る。
きょろきょろとあたりを見回し、うずくまる土田に気づくと近よって言った。


「土田、怪我ねぇか?」


…それお前が聞くのってちょっとアレじゃねぇ?
またも微妙にツッコミを入れてしまいつつ、とりあえず土田を家に上げてやるよう三村に促した。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板