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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

368 ◆9BU3P9Yzo.:2006/02/20(月) 17:14:34
「喧嘩なれしてへん奴がこんな危ないもんもっとったらいかんけんねー」
たった一撃で相手を気絶させながら、少し上機嫌に鼻歌交じりにしゃがみ込むと、倒れた相手から黒く光る石を発見した。同じように自分のジーンズのポケットからお守り袋のようなものを取り出すと、今手にした石も放り込む。
「さすがは元総長、やな」
のんびりした口調で草陰から出てきた大溝に、佐田は明らかなしかめっ面で答えた。
「なんね、たまにはお前も働きや」
「戦闘用じゃないっちゃね、怪我ばせんよう見張るしかできん」
立ち上がり袋を見せると、じゃらり、と低く鳴る。今みたいに、暴走している相手を見つけては、力ずくでその石を奪い、そしてどうする事もできずに持ち歩いていた。石は増える一方。その分、襲われる回数が減るのかと言えばそうではない。減らないのだ。一向に。中には石を持たず、破片のようなものしか持っていないものもいて、佐田は相手を殴るたび、頭を悩ませていた。

「黒い石はよくないもの。黒い石は浄化しなければならない」
まるで子供が教科書を音読するように、佐田は呟いた。芸人の中で囁かれている力を持つ石の噂。その話はしっていたし、自分にも持っていたし、意外と身近に感じていた。しかし、簡単に「浄化してー」と頼めるような相手もいなければ、「お前浄化できるか?」と簡単に口にしてはいけない気がした。相手が白ならそれでいい。しかし、黒なら、せっかく集めていた『悪いもの』をあっさり相手に渡してしまうようになるのだ。
とはいえ、人の気持ちを汚染し、操るこの石たちを、いつまでも持っているわけにもいかないだろう。そんなつもりはなくても、自分はおろか周りに毒素を撒き散らしている


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