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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

318名無しさん:2006/02/03(金) 19:12:25

「―――ホントにね。」
背後から聞こえた高い声に、表情筋が引きつった。
相方である藤森が電柱にもたれかかり立っていた。
「敦彦、ケガ大丈夫?」
「慎吾…。」
目敏く口元の傷を発見した藤森が心配そうに顔を覗き込んでくるのに対し、中田は一歩退く。
いささかショックを受けたのか、藤森は引き留めようとした手をゆっくり降ろし、それ以上近づかなかった。
「…あのさ、俺相方をこんな形でケガさせたくないのね。だからさ…。」
「黒には入らねえ。」
「何でだよ、あっちゃーん!」
言い切らない内に拒絶され、ネタ中と同じ大げさな口調と仕草で不満の声を上げる。
藤森にビシッと言い聞かせるチャンス。中田は身体ごと向き直った。
「何でも、だ。お前もいい加減…、」
目ぇ覚ませ。そう続けようとしたが。
タン、と軽い靴音が聞こえ、離れた所で石の気配が近づいてくるのを感じた。
だが一秒と経たない内にその気配はあっという間に至近距離までやってきたのだ。
その瞬間、振り向く前に一瞬首筋に鈍い衝撃が走り、中田は地面に崩れ落ちた。
チューハイの缶が転がり落ちる。
「敦彦、敦彦!」
驚いた藤森が慌ててその背中を揺さぶるも、気絶しているのか、中田が返事をすることは無かった。
「あーあー、死んでねえから騒ぐんじゃない。慎吾。」
酷く特徴的な声が降ってくる。その声色は落ち着いていて、いかにこのような状況に慣れているのかを理解させる。


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