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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

316名無しさん:2006/02/03(金) 19:09:32
石の能力でも何でもない、何とも野蛮な攻撃方法ではあったが。
背後からの不意打ちキックというものは意外と効くらしく、男は苦しげに咳をする。
「うちの大事な後輩いじめてんじゃねえよ。」
藤田は太い眉をぐっと眉間に寄せ、男を威圧した。
喧嘩はそれ程強くはないが目力だけはある彼に凝視されると、普通の人間なら蛇に睨まれた蛙のように一瞬で戦意を失ってしまうだろう。

男は無言で素早く起きあがると、中田と藤田に目を向けることも無く、早歩きで去っていった。

「誰だあいつ…?おい、大丈夫かよ。」
自分の記憶にない男の姿が消えるのを見届けると、向き直り藤田が口を開き手を差し出す。
「え?…あっ、はい。」
尊敬する“藤田兄さん”が現れた事で呆然としていた中田はその声にハッ、と目が覚めたように顔を上げ、差し出された手を取った。
「あの、いつからそこに?」
「さっきの奴が石取り出した所から。俺が偶然気付かなかったら危ねえとこだったぞ?」

ということは、男との会話は聞かれていないと考えて良いだろう。
中田はホッと息を吐いた。
「危ない所をありがとうございます。」
「お前の方が道路側だったろ。何で逃げないのかねぇ。」
「ち…ちょっと腰が抜けてて…。」
冗談めいた口調でぎこちない笑みを作る。
変な奴だな、と藤田は白い歯を見せて笑った。


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