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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

300kzd34:2006/01/29(日) 00:53:14

2人は決断した。「・・失敗、するなよ?」「・・お前に言われたくないよ。」

『彼女を安全な場所へ移す』 ・・・些細だが、優先するべき事だと思う。
「・・・で、誰が連れ出す訳?」「卓志。」「じゃぁ、お前は・・?」「後で行く。」
簡単な作戦を立てる。・・・後は、それを実行出来る『チャンス』を待つだけ。
立ち止まる彼女の前へ、吉田が1歩近付いた。手には、血で出来た『武器』。
1歩。・・・まだだ。 2歩。・・・まだ早い。 3歩。・・・もう少し。 4歩。『今だ!』

合図と同時に田中が飛び出し、山根が隠れた場所で『石』を光らせた。
目晦ましには丁度良い『白い光』は・・・案の定、吉田の視線を一瞬外した。

「コッチです!!」 その一瞬の『隙』を逃さず、彼女を連れて走る。
彼女の手の冷たさに一瞬驚きながらも、必死で離さない様に握った。
彼女の方は多少驚いた物の、田中の手を握っているのに必死な様子。
「待てっ!!」 後ろから声がする。それでも、振り返らずに前へ進む2人。
よく分からない通路を、右や左・・・とにかく。逃げる事で精一杯だった。

走る事数分後、後ろから声はしない。・・・どうやら、逃げ切ったらしい。
田中は疲れ切っている様だが、彼女からは息切れや動機は感じられない。

「だ・・・大丈夫っ、ですか?」「・・・ハイ。それより、貴方の方こそ・・・。」

息をするのが苦しい。彼女の『紫の光』が当たると、不思議と呼吸は楽になる。
一呼吸すると、彼女へ礼を言った。彼女の方も、丁寧に言葉を返してきた。
「・・・さっきから傍に隠れていましたよね?」「えっ!?ぁ・・・あの「田中〜!!」
田中の言葉を掻き消す声。・・・山根だった。どうやら、無事だったらしい。
安堵の息を吐いた田中に「お前、足速すぎだって・・・」と山根の駄目出しが入る。

「はっ・・・走れって言ったのお前だろぉ!?」「限度って言うのを知れよ・・・。」

目の前で始まった痴話喧嘩に、彼女は何も言葉を言わずに黙って見ていた。


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