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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】
279
:
kzd34
:2006/01/22(日) 15:10:06
予想外の行動を取った『彼女』は、吉田の目の前まで近付いた。
「…『黒』に入ってくれるんですか? それとも、『石』を…?」
言葉の変わりに、首を横に振った。…つまり『否定』した事になる。
この返事に苛立ちが頂点に達したらしく、感情を押し殺した様な声で言った。
「そうですか。それなら…力づく、と言う事で良いですよね?」
そう言うと、手首に巻かれていた『包帯』をゆっくりと解いた。
傷口から滴り落ちる『血液』は、地面には落ちず『空中』に集まった。
血液で鋭利な『ナイフ』を作り出す。それを、彼女の首筋に宛がった。
「…恐くないんですか?もしかしたら、死ぬかもしれないのに。」
首筋から少量の血が滴り落ちる。それは、白い服に『赤い染み』を作った。
ナイフを避ける事も逃げる事もせず、帽子に隠れた顔は相手を見続ける。
「…コレくらいで痛かったら、この『石』は守れませんよ。」
初めて彼女が発した『声』は高くも無いが低くも無い。
だが、表情が見えない分『声色』が…彼女の『感情』を表している。
『石』を守ろうとしている。 そんな『守護心』が、彼女から伝わる。
吉田は、血液を『液体』に戻す。そして、新たな『武器』に作り変えた。
「初めてですよ。俺がここまでしても、少しも恐がらないなんて…。」
「やっぱ『石』の持ち主だから?」「…それは関係無いと思うけど。」「そう?」
阿部との短い会話を終わらせ、また彼女の方へ『武器』の矛先を向けた。
「…後悔しても、知りませんから。」 彼女の『石』が、淡い光を放った。
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