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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

269 ◆TCAnOk2vJU:2006/01/22(日) 01:46:24
 徳井義実は今、まさに仕事を終えて帰路につくところだった。
 今から飲みに行くからお前も来いよ、と言った相方の福田の誘いを断り、徳井は夜の街を一人で歩いていた。時折人にぶつかりそうになるが、上手くそれを避けながら歩く。
 道沿いのとある店の前で、徳井はきらりと光る石の存在にふと気が付いた。店の中の明るさのせいで、その石は特に目立って輝いている。徳井はそれに興味が湧き、拾い上げて手の中で転がした。
「きれいな石やな」
 ぽつんともらした、石に対する感想。石は透き通ったグリーンで、その色はマスカットを連想させる色であった。女性が身につけるアクセサリーとしてもよく見かけるような、少し大きめの石である。道端に転がっていたのだが、この石の運が良かったのか一つも傷がついていなかった。
「まあ、持っといても悪うないやろ」
 徳井はそう呟いて、石についたほこりを息で飛ばした。その瞬間、微量についていた砂のようなものを吸い込んでしまったが、全く気にかけずそれをさっとジーンズのポケットに入れた。太股に石が入っている感覚があるなあ、と当たり前のことをぼんやりと思い、徳井は再び自宅に向かって歩き始めた。


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