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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

253 ◆8zwe.JH0k.:2006/01/09(月) 18:19:25

真剣な顔つきになり、標準を合わせる為に意識を高める。無駄な動きは御免だ。真っ直ぐ、奴らの背中へ。
次の瞬間、二人の体がぶわっと浮いたと同時に、長井は羽根を大きく羽ばたかせ前進した。
地面との距離は、それほど離れていない約二メートル。
冷たい風を顔に受け、逃げる二人組めがけて一直線に向かっていく。

「今だ!」
「え?…ぎゃっ!」
長井は二人組にぶつかる直前に、頭の上を跨ぐようにぐん、と急上昇した。

「低空ミサイル!」
同時に田中を支えていた手をぱっと離す。
二人組は真上から降ってきた田中を避ける余裕もなく。
二人…いや、三人はもつれるように地面に叩きつけられた。

「…1…2…」
地面に降り立った長井が腕時計を見ながらカウントする。
「…3」
三まで数え終わると、ぱりんと黒い欠片がはじけ飛んだ音が小さく響き、田中の下敷きになったまま気絶した二人の手から、浄化された石が転がり落ちた。
石は長井の革靴に当たり、それ以上転がるのを止めた。
「あだだだっ…」
田中が頭を振りながら起きあがる。
「痛えよ…」
もう怒鳴り散らす元気も無いのだろうか。ぽつりと呟くと、ぶつけた頭をゆっくりと撫でた。
それを見て少し反省した長井はスミマセン、と浅く頭を下げたのだった。

「早くどいてあげた方が良いんじゃないすか?」
「え?ああ、そうそう。誰なんだよこいつら…」
哀れ、下敷きになって気絶した二人の顔を覗き込む。
田中は声を上げた。それは、良く見知った顔だった。


「…で、説明して貰おうか?猿橋、樋口」
額に絆創膏を貼り、花壇の縁に座っているのは田中や長井と同じ事務所「タイタン」に属するコンビ、5番6番の猿橋と樋口だった。
自分たちの利益の為だけに悪いことをするような人間では決してないことは、二人を可愛がっていた田中にも分かっていた。
「俺たち、石拾ったのはいいものの…直ぐに黒の奴らに捕まっちゃいまして…」
「操られたくなかったら、黒い欠片どんどん他の奴らに渡せって…」


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