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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

241 ◆1En86u0G2k:2005/12/19(月) 01:02:11
「……っ、はあ…多分この辺やと思うねんけど…」

今立の石が光ってまもなく、その場に駆け付けた男がいた。アメリカザリガニ・平井善之だ。
同じくゲーム大会の参加メンバーであり飲み会のあとコンビニに立ち寄っていた彼は、黒い欠片と憶えのある石の気配がどこか近くで弾けるのを感じ、何やらよからぬことが起きたのではないかとその気配を追いかけてきたのだ。
戦うことも考えて咄嗟に買った小さなミネラルウォーターのボトルを片手に弾んだ息を落ち着かせ、路地に踏み込む。
しかし平井は、「うわ、」と思わず声を漏らして足を止めてしまった。

視線の先で若い男が、勢いよく宙へ吹っ飛んでいく瞬間だったから。

「 へ ?」

事情を把握できずその場に立ち尽くす間に、その男は派手な音と共に道路に落下する。
気付けば似たような雰囲気の男達がすでに幾人も、その場に折り重なって倒れていた。
ただ一人立っているのはこちらに背を向け肩を上下させる人物−なぜか漫画の特殊効果のように身体の周囲にキラキラと星を散らせていた−で、その背格好からしてそれはつい数十分前まで一緒だった今立に違いなかった。

「−今立、くん?」
「…やっちゃったぁ………」

呼び掛けに振り返った今立はとろんとした目でどこか悲しげに呟くと、ゆっくりその場に崩れ落ちる。
−静寂。

「…何やったんやろ…」
「…………あ、終わった?」

後には展開に追い付けないままの平井と傍らの電柱の陰でなんとか嵐をやり過ごした豊本だけが残された。


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