したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

240 ◆1En86u0G2k:2005/12/19(月) 01:00:42
石が震える。
やはり自身の石とそれぞれの身体能力で突破するべきか、そう考えはじめた豊本の思考が思わず途切れた。

(…え、ダチくん?)

この共振の元は間違いなく今立だ。しかもかなり、攻撃的な。
冷静に考えたなら明日の為に少しでも使用は控えるべきなのだが、酔っているせいか本人曰くの『最近のアンラッキー』が相当溜まっていたのか、こんな不条理な形で自分の楽しみが妨害されることに対し彼は相当腹を立ててしまったらしい。
気の毒だとは思いつつ、この怒りが下手に拡散するとやっかいなので今立に全てを任せることに決めた。
−でも確か、彼の能力には制約があったはず…

「…イオナズン打ちてえ…」
「いや危ないから」
「じゃあメテオ…やっぱメラゾ−マ…いや団体だからべギラゴンの方が…」
「殺す気だねえ。全部却下。てか無理でしょ?そういうの」

そう、彼は怒りを発散する攻撃の能力は使えないのだった。どうするの?という豊本の視線を感じ取ったのかどうか、今立は不意に「上手く避けてね」と言い放つと、傍らできらめく星の形をしたイルミネーションを引きちぎり、真上に投げた。
電力を断たれたそれは当然瞬時に輝きを失い、ただの透明なプラスチックに戻る。
しかし、その星が重力に引かれはじめる前に、今立のシャツのポケットから眩く白い光が溢れた。

「………!!」

途端に前後の集団がざわめき、距離を詰めようと駆け寄ってくる。
何か効果的な能力を発揮される前に数で押し切り、石を奪ってしまおうという考えだったのだろう。
しかし彼らの手が今立に伸びる寸前、ウレクサイトの白光はひときわ強く瞬いたかと思うと、シュン、と真上に移動した。
打ち上げられた先には落下してくる星型のプラスチック。

−光が吸い込まれる。造りものの星が再び、輝きを取り戻す。
キラキラと光の粒をまき散らしながらゆっくり落ちてくるその星にはなぜか懐かしいような既視感があった。
そう、確か、それを取ればどんなピンチも切り抜けられる…

「…無敵のスターだ、」

豊本が呟くのと星の光を身に纏った今立が前方の集団に向かって体当たりを仕掛けたのは、ほぼ同時。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板