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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

233ブレス ◆bZF5eVqJ9w:2005/12/17(土) 12:06:25
ちょうど板倉と山本が対峙した公園で、インパルスの2人が『黒』の下っ端と争っていた。
帰り際の板倉を狙い仕掛けてきた連中と、追いかけっこでここまできたのだ。
それを見つけた堤下が板倉を助けにやってきていた。しかし形勢は一向に悪い。
「ちっ・・・」
板倉が舌打ちをする。見れば相手は大勢、こちらは2人。
暗くなり始めている公園の中に、街灯の蛍光灯はちかちかと点滅していた。
そして、点滅の光がまだいるであろうか、その他大勢の顔を照らしている。
「どいつもこいつも・・・、覇気がないんじゃないの?」
『黒』の人間に追われるのが面倒臭くなり始めた板倉が、苛立って呟いた。
そのすぐ隣で困り果てたような表情をしている堤下が、板倉の言葉に
「いや、そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!相手が多すぎるよ・・・」
と弱気に突っ込んでいた。
そんな覇気の無い顔が、2人の周りを包囲している。小さな息と迫る足音が砂を掻いた。ざっ、と靴底が擦る音がする。
街灯はいまだちかちかと弱々しい点滅を繰り返していたが、不意にそれが消えた。
一瞬その空間すべてが、黒く塗りつぶされたように感じた、その刹那。
―――ばちっ。何かが爆ぜた。
「俺ね、あんまり手荒なことしたくないんだ」
いつもと変わらない、冷静な声色が聞こえる。
堤下は、それが隣の板倉だと分かっていたが、何やら嫌な予感がしてそちらを向けなかった。
辺りが謎の音と共に瞬間的に明るくなる。その光の元は多分板倉の頭上だろう、と堤下は気づいていた。
電流が街灯から奪われて、それは生き物のように板倉の周りに集合していたのだった。
「でも、来るんならこっちもやるよ」
相変わらず、板倉から放たれる言葉には変化は無い。
周りの群れが、凝視するかのように板倉と彼のアンクレットを見た。
風が冷たく公園を貫いた。
「簡単に石はやらねーぞ」
最後に板倉が、吐き捨てるように言ったのを堤下は聞き逃さなかった。
その言葉が合図だったかのように、ついに男達が爆発して迫ってきた。
拳を振りかざし、唸るように、鋭い眼差しで板倉を目掛けて猛烈に突撃してくる。
しかし、彼らの拳が板倉を捉えるよりも前に、板倉と男達の間に巨大な電撃の束が落ちた。
―――ずどん!


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