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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

203[タイトル未定−7] ◆yPCidWtUuM:2005/11/18(金) 04:16:21
「準一、何してんねん、波田くんの石あいつらに渡したらあかんて!」


河本はうるさそうに井上の手を突っぱね、波田の持つレインボークォーツを探しつづけた。
それでも止めようと井上が河本をはがい締めにしようとすると、河本は井上を力一杯突き飛ばした。
体勢を崩して尻餅をついた井上は、呆然と自分の言葉の通じない河本の背中を見やる。
ひどく悲しい気持ちで井上はのろのろと立ち上がり、ふと、すぐそばの地面に光るものを見つけた。

…金だ。

おそらく松田が波田の刀を防いだとき、手から転がり落ちたのだろう。松田はまだ背中をおさえたまま倒れている。
高野はきっと、松田がこれを落としたことに気づいていない。だから河本に「金を返せ」とは言わなかったのだ。
井上は祈るような気持ちで金に手を伸ばした。この石の使い方は知らない、だがもしこれが自分のものだというなら、
きっとこの状況をなんとかしてくれる。そう思って井上は必死で小さな金の塊を握りしめた。

とたんに光り出す石に導かれたように、井上は伸ばした両手を頭上で固くあわせ、その中に石を包んだまま、
思いっきり地面にダイブする。井上の体は高野の目の前まで勢いよく滑っていき、その足下で止まった。


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