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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

196[タイトル未定−7] ◆yPCidWtUuM:2005/11/18(金) 04:10:43
松田は黒く闇に溶ける道の上、片膝をついて腰を沈めた体勢のまま、くしゃりと笑って言う。


「井上くん久しぶり。元気にしてた?」
「…」


その口調は親しげなものだったが、井上はとても松田のその問いに軽く答える気にはなれない。
目の前の人物は自分を背後から襲い、拉致しようとしていたのだ。いくらそれがよく知る相手であったとしても、
恐怖と不信感は消えなかった。

一人離れたこの状況はまずい。そう判断した井上は、松田の様子をうかがいつつ河本の傍まで走った。
河本の横につくと、その後ろでは波田がいつの間にかギターをとりだして襲撃者の方を睨んでいる。
その様子を松田はつまらなそうな顔で一瞥し、ぐい、と体に力を入れて立ち上がり、服の埃を払った。


「おい、二郎…!こりゃ一体何のマネや!」


井上が自分の方に走ってくるのを見てハッと我にかえった河本は、前々からの友人である高野にむかって
悲痛な叫びをあげる。しかし高野は闇の中、いつもの笑みを崩さない。人好きのするそれが今に限っては
ひどく酷薄なものに感じられた。


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