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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

193[タイトル未定−6] ◆yPCidWtUuM:2005/11/18(金) 04:08:38
珍しい酒席をそれなりに楽しんで、5人は店を後にし、ほろ酔い加減でタクシーを拾おうと歩き出した。

有田はすっかりご機嫌で、首を軽く右腕でキメたような状態で上田を引きずり、長州の『パワーホール』を
大音量の鼻歌で歌いながら前を歩く。上田は今にも倒れそうになりながらよたよたと相方に連れて行かれた。


「…離せ!首キマッてる!相方不慮の事故で殺す気か!」
「ふんふんふふ〜ん♪ ふふふふふふふふ♪ ふんふんふふ〜ん…」


…先の角を曲がったらしく姿は見えないが、ここまで響いてくるほど2人の声は大きい。

残りの3人はなんとなく固まって歩いていたが、スニーカーの紐が解けた井上は、皆から少し遅れる。
今日の集まりに使った居酒屋は奥まったところにあるので、街道に出るまでが暗いせいか、前を行く相方と波田の背が
わずかに闇に溶けてぼやけていた。吹きすぎた冷たい風に、冬が近いなと思いながら上着の襟をかきあわせる。

そういえば自分の石を使っていた奴が、『凍る』とか言ってた、と波田は話していた。
こんな季節にそない寒々しい力ってのも何やなあ、と小さくごちて、ポケットの中の金の粒に触れてみる。
その瞬間、何となく指先から石の波動のようなものが伝わってきた気がして、慌てて井上はそれをとりだした。


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