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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

159 ◆8zwe.JH0k.:2005/10/24(月) 21:03:33
そして気を取り直すようにパンッ、と一度手を叩く。
「よし、じゃ逃げるか。ダッシュね、ダッシュ!かけっこには自信あるよ、俺」
格好付けたように変なところで語尾を上げるのは彼のちょっとした癖だ。そういうときは大抵彼の心は自信に満ちている事が多い。佐久間は妙な安心感を覚え小さく笑い「そっすね」と返事をすると、つっかけを履き直し阿部の後ろを付いて走っていった。
ぺたん、ぺたんというつっかけ独特の平たい靴音を鳴らしながら、後ろを振り向いた。
思った通り背後からは屋根から下りた男たちが追いかけてくる。
一応昔テニスはやっていたし、体力にも足の速さにも自信はある。運動馬鹿な訳ではないが、久しぶりの本気の走りに、自然と佐久間は口元を緩ませた。
「ついてこれるもんならぁ、ついてこぉーい!」
走りながらくるりと一回転。
「何テンション上がってんの、ほらこっち!」
息を切らした阿部が佐久間の襟首をやや手荒に掴み、狭い路地裏に逃げ込む。ゴミバケツや空き瓶が散乱している所為でスピードが出せないのを佐久間は不満に思った。何しろ汚い所は大嫌いだった。全力で走るには先程の綺麗な広い道路の方が良かったのだが、何にせよその道路は長く続く一本道だ。万が一こちらが先に疲れるような事があれば捕まってしまう。


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