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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

125名無しさん:2005/08/30(火) 03:53:23
「…なんで黙ってんの?反論しなきゃ面白く無いじゃん」
カエル君はそれっきり動かなくなった相方を突付いたり叩いたりしていたが、突然何かに気付いたように大きく手を叩いた。
「そっか、これが原因か」
床に落ちている黒い欠片を拾い上げ、試しに相方の綿の詰まった柔らかい頭に突き刺した。
「…あれ?今僕どうしてた?」
突然動き出した相方を見て、カエル君は理解した。
カエル君の頭の部分…その中に入っている覆面の男の手には、黒い欠片の感触がある。
「これのお陰…ってことか」
カエル君は自分の本来の身体である人形ではなく、
後ろの男の方に意識を集中すれば彼の手でだけではなく身体全体を動かせることに気付いた。

「あっちゃいけない魔法みたいなこと…嫌なら君は黙ってて良いよ」
「何言ってるのカエルく…」
いつまでも煩い相方の後ろにまわって、彼の頭からはみ出している黒い欠片を引き抜いた。
動かなくなった相方の体を、後ろの男の方に意識を集中して動かしてみる。
手を動かすだけで、うし君の身体は簡単に彼の思い通りに動いた。
「ふーん…いつもこんな感じで僕等を動かしてたんだ」
呟いた彼は男の手から相方の体を引き剥がす。
そして同じように、元・自分の身体をも相方の体の中から出た人間の手を使って引き剥がした。

「…僕は、僕だ」
そこから現れた手を見て、彼は呟く。
「操られたりしない。僕は僕の好きなように…」
その掌には黒い欠片。それから流れ込む力を感じたカエル君は、拳を握ってニヤリと笑った。
彼の意識に連動して男の表情が変わる。
彼の…カエル君の心は今まで自分を操っていた男を逆に支配している、という優越感でいっぱいになる。
「この欠片があれば…僕は僕で居られるんだ」


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