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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】
124
:
名無しさん
:2005/08/30(火) 03:48:57
何となく思いついたけど、元の流れと繋げられる自信が無いので此方に落としてみます。
まだちゃんと決まってない設定もあるのでそこら辺は最後に説明しておきます。
「僕等はただの人形だ」
うし君は自分に言い聞かせるようにそう呟いた。
「僕等はただの人形だった」
それを聞いたカエル君は強い口調でその言葉を否定した。
「僕等はただの人形だ」
違う違う、と頭だけでなく身体全体を横に振ってうし君はその言葉を否定する。
「今の僕等はただの人形じゃない。意思がある…自分達の意思があるんだ!」
声がするのは一箇所で、それは自分達の口から発せられているものではない。
だがしかし、彼等は実際自分達の意思で動いていた。
自分達の姿を見れば確かに、足の無い胴体の下から伸びているのは人間の腕。
この腕がなければ、中に入っている手がなければ自分達は動けないただの布と綿の塊。
壁に寄り掛った格好で床に座り、ぐったりと項垂れているのはその腕の持ち主。
「じゃあ、彼は何?」
紺の覆面をし、黒ずくめの服を着ている人間を指してうし君は訊ねる。
「元・僕等」
自分達のついている腕だけを地面と垂直に保ったまま動かない人間を見て、カエル君は答えた。
「元?じゃあ今は?」
未だに混乱している様子のうし君は、不安げな声で相方に訊ねる。
「今は…僕等が彼だ」
自信たっぷりにそう告げたカエル君はさらに言葉を続ける。
「そこに居る男の頭の中に僕等は居た。僕等は彼だった…彼が僕等だった」
自分の腕全体を使って、俯いたまま言葉を話す男を指す。
「彼の思ったようにしか動けなかった。彼の思うがままに操られているだけだった」
うし君に反論させない勢いで、カエル君は話し続けた。
「だけど、今僕等はこうして自分の好きな事を…彼の口を通してだけど、好きなだけ話せる!」
覆面の男は項垂れたまま、カエル君の台詞を嬉しそうな声で喋っている。
「僕等は彼に操られてるんじゃない。僕等が彼を操れるようになったんだ!!」
「…そんなの、やっぱおかしいよ」
黙ったままで―彼等はどちらかが話しているときはもう片方は黙っているほか無いのだが―相方の言葉を聞いていたうし君がようやく口を開いた。
「だって僕等は人形で、そんな…魔法みたいなことがあっちゃいけないんだよ」
うし君はあくまでも元の彼の、人間としての常識を持ち合わせているようだった。
だが一方のカエル君は違った。大勢の人間の前で自分達が生きているかのように振る舞い、喋っていたという記憶が強かった。
「僕等は沢山の人と喋って、沢山の人に見られて、お笑いコンビ・パペットマペットとして世間に認められていた」
「違う、それは違うよカエル君…だって僕等は人形で、人間達は僕らを人形としてしか見ていない!」
「家畜の分際で煩いんだよ。そんなに言うならずっと黙ってて。僕は僕のやりたいようにやるから」
そう言いながらカエル君がうし君の頭を強く叩いたとき、うし君の頭から黒いガラスの欠片の様な物が抜け落ちた。
「…頭にノミ飼ってるなんて。さすが家畜だね」
カエル君は床に落ちたそれを見て皮肉を言う。いつもなら何らかの返事をしてくるはずの相方は黙ったままだった。
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