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念を使わせてみよう小説スレッド
9
:
1
:2004/11/10(水) 00:00
日は既にとっぷりと暮れていた。都心を離れた土手地にはもう人影は無く、犬の遠吠え
だけが低く響く。
「くっそ、まだお小遣いまで一週間以上あるってのに…」
軽くなった財布が懐の温度を急速に下げる。一体結局何だったんだ、あの女性、外法狐
という人物は。これまで17年、とても人生経験が豊富とは言えないが、あんな人間に出
会う事は二度と無いと断言出来る。
「たくもー、本当にどうするんだよ…」
愚痴を言っても財布の中身がビスケットみたいに増える事はありえないと分かっていな
がらも、愚痴を言わずにはいられない。どうする、どうするタカラギコ。一世一代のピン
チだぞ。
「……?」
と、前方に黒い人影が見えた。周囲が暗いが、身長からして女性の確立は少ないだろう。
しかし連続猟奇殺人犯が街中を闊歩しているかもしれないというのに、こんな夜遅く人通
りの少ない場所を歩くとは物好きな人だ。人の事は言えないが。
「ギ…ギシュ……」
人影の方からそう呟く声が聞こえて来た。ギシュ?何だそりゃ。義手の事か?
「ギシ、ギシュ…」
マリオネットの様にカクカクとした動きでこちらに向く人影。ある程度近づいた所で、
それがどこにでもいそうな中年男性という事がようやく視認出来る。というか、あの人少
しおかしいぞ?
「ギシュ、ギシュ、ギシュ…」
そこで、僕はやっとある結論に到達した。さっき僕はこう思った。『連続猟奇殺人犯が街
中を闊歩しているかもしれないというのに、こんな夜遅く人通りの少ない場所を歩くとは
物好きな人だ』、と。でも、それは大きな誤りだった。この人は物好きな人なんかじゃなく
て、そんなんじゃなくて、それはつまり…
「ギシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こいつこそが連続猟奇殺人犯だったのだ…!
「う、うわああああああああああああああああああああ!!」
僕はすぐさま後ろに振り返ると、全力で逃げ出した。そんな、そんな事って。ニュース
で連続猟奇殺人について見ていた時には、こうなるなんて思ってもいなかった。テレビの
向こう側で騒がれているだけで、僕には関係無い、そんな根拠も無い安心感に浸っていた。
でも、でも今は、それが現実として襲い掛かって来ている。
「うあッ…!」
視界が大きく揺れ、直後僕は地面と熱烈な口付けを交わす。しまった。石に躓いて転ん
でしまったのだ。
「ひッ、ひいぃ!」
腰が抜けて立ち上がれない。そんな間にも、殺人鬼は物凄い勢いで僕に向かって来る。
死ぬのか!?ここで!?嫌だ、死にたくない!僕には、まだやりたい事が…
―――やりたい事って、何だったんだ?
時が止まったような錯覚。その中で、今までの記憶が一瞬にして脳の中を渦巻く。幼稚
園、小学校、中学校、高校、妹、お父さん、お母さん、おじいさん、おばあさん、今まで
会った人、今まで見た景色。これが、走馬灯ってやつなのか…
『俺の名前は外法狐。狐娘と呼ぶ奴もいるがね。覚えておいて損は無い名前だぞ』
その言葉と共に、あの奇妙奇天烈な女性のシルエットが脳裏をよぎった。畜生、何だってよりによって、あんな奴の事なんて。
「ギシュアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
殺人鬼の右腕が、およそ人間とは思えない速度で僕の頭に振り下ろされる。僕は恐怖に
耐え切れず、ギュッと目をつぶり―――
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