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念を使わせてみよう小説スレッド

801:2004/11/23(火) 01:36

「…君は、俺を憎んでいい。
 殺してやると思ってくれていい。
 罵っていい。
 君にはその権利がある。
 俺は紛れも無く、君の家族の仇だ」
 視線を下げたまま、狐さんが低い声で僕に告げた。
「俺も、『冥界の支配者』と同じなのさ。
 薄汚い人殺しだ。
 『冥界の支配者』を殺すのだって、君を巻き込んだ償いをする為なんかじゃない。
 本当は適当な理由をつけて人が殺したかっただけなんだ。
 軽蔑するだろ?
 俺は、こんな人間なんだ」
 自分を傷つけるかのように、狐さんは言葉を吐き捨て、嘲(わら)った。
「だから君は―――俺を殺していい。
 その覚悟は出来ている。
 殺すのが嫌なら、辱めたって構わない。
 君が何をしようと、俺は抵抗しないよ」
「…やめて下さい」
 もう、やめて下さい。
 僕には、そんなつもりなんか無い。
 あなたを殺したりなんかしない。
 殺したくない。
 だって、
 僕は、
 それでも、
 あなたの事が―――

「…ごめん。 変な話しちまったな」
 ポリポリと頭をかきながら、狐さんは僕に背中を向けた。
 多分、僕の顔を見なくても済むようにする為だろう。
「狐さん、僕は―――」
 僕は狐さんの背に何か言おうとして… 出来なかった。
 僕は、何も言葉をかける事が出来なかった。


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