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念を使わせてみよう小説スレッド

771:2004/11/23(火) 01:35


 ピンポーン♪


 チャイムの音。
 そうだ、そろそろあいつが来る時間だったか。
 嫌々ながら、入り口の鍵を開ける事にする。
「おっはよーございまーーす!」
 突き抜けるくらい快活な声が、部屋の中に響き渡った。
 来たか、殺し屋。
 来たか。人吊詩絵莉。
 この僕と狐さんとの蜜月をぶち壊しに来やがって。
「お早うさん、しぇりー」
 狐さんがしぇりーちゃんを迎え入れる。
「…お早う」
 無視する訳にもいかないので、僕も渋々しぇりーちゃんに挨拶する。
 正直朝っぱらからこのテンションにはついていけない。
「何ですかそのあからさまに嫌そうな顔は?」
 僕の表情に気がついたのか、しぇりーちゃんがなじってくる。
 いや、その理由は少し考えれば分かるだろ?
 君ももうすぐ大人になるんだから、少しは気の利かせ方を考えてみてはくれないかな。
「残念でした!
 狐さんは私のものなのです!
 お兄さんなんかに渡さないのです〜!
 い〜〜〜だ!」
 口を真一文字にするしぇりーちゃん。
 畜生。
 よりにもよって確信犯かよ。
 あれ?
 確信犯の使い方ってこれで合ってたっけ?
「私の目の黒いうちには、
 チュンチュン、イエ〜イ、FOR YOUなんて許さないのです」
 …チュンチュン、イエ〜イ、FOR YOU?
 また新しい電波を受信したのかこの子は。
「…ひょっとして、不純異性交遊の事?」
 最早語感しか合ってねえよ。
 それともまさかワザとやってるのか、この子は?
「…! 細かい事はどうでもいいのです!」
 顔を真っ赤にするしぇりーちゃん。
 これで三度目。
 どうやらワザとではないらしい。
 というか細かい間違いじゃないから。
 かすってすらいないから。

「ほら、しぇりー。
 そろそろ学校行かなくていいのか?
 遅刻するぞ?」
「あ、そうでした。
 ではそろそろ失礼します。
 また夕方に遊びに来ますね」
 そう言って部屋から出て行くしぇりーちゃん。
 わざわざ通っている中学校の通学ルートから外れてまで、律儀にここに挨拶をしに来ているらしい。
 そこまでして僕の邪魔をしたいか。
 二度と来るな、二度と。

「…まあ、仲良くしてやってくれよ。
 あんなだけど、結構好い所もあるんだぜ?」
 狐さんはそう言うが、つい最近まで自分の命を狙っていた殺し屋と仲良くなれる奴が居たら是非お目にかかりたい。
「ほらほら〜、そんなしけた顔してないで笑って笑って。 ピースピース」
 微笑む狐さん。
 無表情な僕。
「イエ〜イ」
「うるせえ」
「遺影」
「殺すぞ」
 何でこんなテンションの高い人たちばかりなのだ、僕の周りの人は。
 …違う。
 明るく振舞ってくれてるんだ。
 僕の、為に。
「ターちゃんつまんな〜い」
「僕をどこぞのジャングルの王者みたいな仇名で呼ばないで下さい」
 前言撤回。
 素でやってる、この人。


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