[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
念を使わせてみよう小説スレッド
75
:
1
:2004/11/22(月) 01:59
「―――?」
僕の頬を、熱いものが伝った。
…?
これは、涙?
泣いているのか?
僕が?
違う。
これも偽物だ。
偽物の涙だ。
僕には、本物の涙を流すなんて出来やしない。
出来っこ、ない。
なのに、なのにどうして涙が勝手に出てくるんだ!?
「…少年」
優しい顔で、狐さんが僕の顔を見つめた。
「…悲しいよな」
「はい」
「悔しいよな」
「…はい」
うつむき、僕は狐さんに答えた。
「…少年、君と君の家族との間に何があったのかなんて、俺には分からない。
もしかしたら、君の言う通り偽物だってあったのかもしれない」
僕の両肩に手を置き、狐さんが静かに口を開く。
「だけど、そこには本物もあった筈だ。
でなきゃ、例え偽物でも涙なんて出やしない。
俺が保証してやる。
君と君の家族には、確かに本物の絆がそこにあったって事を。
君の流す涙は、紛れも無い本物だったって事を。
それを嘘だという奴がいるなら、俺が全部叩きのめす」
「う、うううううううう…!」
喉から嗚咽が漏れた。
そこで、僕は本当に心の底から泣いているのだと、気がついた。
もう、会えないのだと思った。
お父さんにもお母さんにもおじいさんにもおばあさんにも、
もう決して会えないのだと思った。
二度と、話が出来ないのだと思った。
「うううううううう」
十年以上も昔の、兄さんがまだ生きていた頃、
その時は確かに、僕は他の何とも代替の利かない、
正真正銘のお父さんとお母さんとの息子だったのだろう。
兄さんが死んで、僕は兄さんの偽物である事を求められたけど、
それでもそれまで僕は正真正銘の僕自身だったのだろう。
それが、悲しかった。
悲しんでいるのは、その時の昔の僕なのかもしれない。
だけど、その僕は今もなお僕の心の奥底に生きている。
だから、死ぬ程悲しいんだろうと思った。
「…0人だ」
狐さんが、言った。
「俺が『殺す』と決めて一ヶ月以上生きてた奴の人数だ。
逃がしゃしねぇ。
今まで生きて来た事を後悔するまで、何度でも殺してやる…!」
狐さんは、阿修羅の如き憤怒の面を浮かべていた。
〜続く〜
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板