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念を使わせてみよう小説スレッド
74
:
1
:2004/11/22(月) 01:58
「…少年、取り敢えずここを出るぞ。
ここに居ても、辛くなるだけだ」
辛い?
はは、まさか。
偽物の僕に、そんな感情などあるわけがない。
「少年!」
狐さんが僕の腕を引っ張った。
引きずられる形で、僕は居間から連れ出される。
「…僕の所為で、死んだんですね」
居間を出た廊下で、僕は呟いた。
「…! それは違うぞ、少年!」
「…電話の奴は、僕を狙ってるようでした。
だから、僕が狙われていたから、家の皆はその巻き添えを受けた」
そう、僕の所為で。
下らない偽物の僕の所為で、家族は、殺された。
「違う!
悪いのは殺した奴だ!
君には、何の責任も無い!」
責任は確かに僕には無い。
だけど、原因はある。
それなら、直接手を下してはいないものの、僕が家族を殺したようなものじゃないか。
なのに、僕にはそれを悔やむだけの本物の心すらない。
「…僕だけ死ねば、よかったんだ」
僕が死ねばよかった。
これだけは、多分僕の本当の気持ちなのかもしれない。
兄さんが死んでから、僕は死んでいたようなものだった。
だって、僕は僕として生きる事を許されなかったのだから。
兄さんの偽物でしかなかったのだから。
なら、死んだ所で別に不都合なんて無かった筈だ。
「最初にしぇりーちゃんに会った時に、大人しく殺されればよかったんだ」
空っぽな声で、僕は言った。
何であの時抵抗してしまったんだろう?
何であの時生き延びてしまったんだろう?
それさえなかったら、こんな事には。
「もういっぺん同じ事言ってみろ!!」
狐さんが僕の胸倉を掴む。
怒っている。
哀しそうな顔で、怒っている。
何でこの人は、こんなにも必死になって怒っているんだろう。
僕は偽物でしかないのに。
なのに何でこんなにも必死に怒ってくれるのだろう。
「…僕は、兄さんの偽物でしかなかったんです。
最初から、僕は死んでいたんです。
だから、僕が死ねばよかった。
宝擬古だって、本当は僕の名前じゃない、兄さんの名前だ。
僕は、偽物の家族にすぎなかったんだ。
だから…」
だから、家族が死んだって、僕には泣く事すら―――
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