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念を使わせてみよう小説スレッド
69
:
1
:2004/11/22(月) 01:56
「いや〜、食った食った」
店から出た帰り道、狐さんがお腹を一つポンと叩いて満足げに呟いた。
「あの、狐さん、今日はありがとうございました」
僕は深々と頭を下げる。
「ありがとうです〜」
しぇりーちゃんも狐さんに礼を言った。
そういえばお勘定が10万を超えていたような気もするが、きっとあれは目の錯覚だろう。
まさか一回の食事であんなにかかるわけないよね。
…でも、当分の間は狐さんに足を向けて寝れないと思った。
「でも驚きました。
まさか、お兄さんと狐さんがお友達だったなんて」
僕も君と狐さんが知り合いだったなんて驚いたよ、しぇりーちゃん。
「ああ。 世間って、案外狭いもんだったんだな」
狐さんが腕を組んで頷く。
よく考えたら、僕ってついさっきまで僕を殺そうとしてた奴と一緒に飯食ってたんだよな。
思い出してみれば随分と凄い経験だ。
「てかしぇりーちゃん。
今更だけど僕を殺すのやめていいの?
その、勝手に仕事を中止したりしたら報復とか受けたりしないのかい?」
僕はそうしぇりーちゃんに聞いた。
僕がもう殺しの標的にならないのはいい事だが、
それが原因でこんな年端もいかない少女が死ぬような目に遭っては流石に寝覚めが悪い。
「それなら大丈夫です。
契約にお菓子がありましたので、お兄さんを殺すという依頼は破棄しても構いません」
「お菓子って、ひょっとして瑕疵の事?」
僕のその言葉に、しぇりーちゃんが顔を真っ赤にした。
この前といい、どうやら語学は苦手なようだ。
「と、とにかく契約は無効という事です!」
苛立たしげにしぇりーちゃんが吐き捨てる。
どうやら怒らせてしまったらしい。
「それが疑問なんだよ。
その契約を無効に出来る位の瑕疵って、一体何なのさ?」
「あなたが狐さんと友達だという事です」
…はい?
それ、本当ですか?
「お兄さんには信じれないかもしれませんが、それで全てに説明がつくのです。
私の依頼主は、お兄さんが狐さんと友達だという事を事前に伝えなかった。
それが既に重大な契約違反なのです。
私達の世界では、狐さん、『外法狐』さんを敵に回すという事は、それ程の事なのです。
いいですか、そもそも狐さんは…」
「しぇりー、お喋りが過ぎるぞ」
しぇりーちゃんの言葉を、狐さんが遮った。
「ご、ごめんなさいです」
慌てて謝るしぇりーちゃん。
詳しい事は知らないが、狐さんはものすげえ凄い人だというのは何となく分かった。
しかし、それは僕が聞いていい事ではないのだろう。
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